アネット・メサジェ展『聖と俗の使者たち』@森美術館

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 私には大抵のものを耳で考えているようなふしがあるため、こういった視覚的要素が強い芸術方面には疎いのだけれども、なんとなく観に行ったアネット・メサジェのインスタレーションはとても興味深く観れた。どれも作品の規模が大きく、強烈な印象を与えてくれるものが多かった。


 身体の一部分だけを写した写真や、バラバラにされたぬいぐるみなどの素材がグロテスクなレベルにまで性的/生的なイメージを伝える作品へと再構築されている。女性の作家である、という情報を会場に入る前から持っていたせいかも分からないが、ここで与えられるイメージは強く女性性、少女性と繋がった。可愛らしさを切り刻んで、パズルのように組み替えたときに露になるのは、少女の残酷さのようなものかもしれない。ただ、血の臭いを錯覚しそうなぐらい生々しすぎる作品もあり、これはちょっと私には辛かった。あと、この展覧会に『聖と俗の使者たち』というタイトルがついている理由はよくわからない……。


 一点、森美術館という場所の特性を最高に生かした展示があり、これには感銘を受けた。作品のタイトルは覚えていないけど。それは天井に吊るされた畸形な感じの大きなぬいぐるみが、円を描くようにしてグルグルとまわっていく……というもので、背景には地上53階から見える東京都内の景色が配置されている。薄暗いトンネルのような通路を歩いていくと、途中でいきなりそんなものが現れる!というところに、ダイナミックな感動があってとても良かった。観に行ったのは昼間だったのだが、窓から入る光によって作品の見え方もだいぶ違ったんじゃなかろうか。基本的に美術館という建物は外の世界を遮断した特別な空間(コンサート・ホールも同じだ)だけれども、あえて窓を開くことによってこんな観せ方も出来るのか、と思った。





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