『彼氏彼女の事情』

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 実家に帰ってきているのだが、とくにやることもないので読書したり、プールにいったりしている(平日、田舎の公共施設のプールの快適具合ったらない。1コースほとんど貸切状態である)。あと、ビール飲んだり、家にある漫画を読み返したり。そんで『彼氏彼女の事情』のコミックスを全巻読み返した。


 この漫画、やっぱ前半のラブコメ路線の箇所が今でも結構面白くて、今でも結構笑えてしまう。あと「しばらく彼氏と会ってなかったら、前より好きになっちゃった。でも恥ずかしくてそれが伝えられない……」なんていう微妙すぎる乙女心を、乙女風のポエティックなセリフによって描いているところが、なんかイタい(でもそこが良い!)。



心のバランスが崩れるほどのひとに会った だから心を「奪われる」っていうの



 素晴らしい。読んでいてざらついた心が癒されていくのを感じるね……。私もこういうの読んで「ジーン……」となっちゃうような乙女心ユレ子に生まれていたら、もう少し真っ当な青春っていうんですかー?そういうの送れたんじゃないかなー、って思う。他に少女漫画読んだことないけど、セックスの神聖な描かれ方なんかとても良いな。「セックスすると2人の距離が縮まる」とかいう幻想。まさにロマンティック・ラヴ・イデオロギーによって生み出された神話だよ、これは。


 この漫画、後半は彼氏(親に捨てられたという過去に傷を持った美少年)の家の話なんかが出てきてものすごくドロドロした話になるんだけど、そこに入ると途端にテンションが下がってしまったのは少し残念かもしれない(新しい単行本が出ていた頃、本当に惰性で購入して読んでいた記憶がある)。ただし、作品内で彼女の方がおこなう演劇に彼氏が触れることで、彼の過去の記憶が蘇りそうになり、そこから彼氏-彼女の関係が変わり始めていく、という後半部分への導入は読み返してみて「とても鮮やかな演出だ」と思わされた。


 それから彼氏の他者からの承認欲求――「親に捨てられた」→「自分は愛されない子供なのだ」という思い込みから、彼氏は誰からも愛されるようなペルソナをかぶり続ける、という設定になっている――が、最終的に彼女のすべてを包み込むような母性によって解決される、という展開はちょうど庵野秀明によってアニメ化されていることもあり、エヴァ的に解釈することが可能な話だと感じる。





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