会社の人に誘われて、2月の頭にハーフマラソン(21キロ)を走ることになった。人生初レースである。というわけで、何はともあれ形から入ったほうが良かろうと思い、ランニング・シューズを新調することにした。で、買ったのが上にあげたアシックスの製品*1。これを履いて今しがた5キロぐらい走ってきたんだけれども、今まで使っていたアディダスのシューズ*2とは明らかに走っているときの感覚が違って驚いた。軽いし、前のよりも進むのが楽な気がする(地面が弾む感じ)。すげーぜ、アシックス。
ちなみに私は普段は30分間で5キロぐらいのペースで走るんだけれど、走っている間はメタリカの『Death Magnetic』を聴くと気持ち良い。このアルバムの収録曲は大体7分ぐらいなので、5曲目の途中ぐらいからクールダウンに入るとちょうど良い具合に「今日のノルマ達成かなー、帰ってビールでも飲むかー」と思う。
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ところで、標題の「失敗しないシューズの選び方」だけれども、結論から言うと「御茶ノ水とかのスポーツ用品専門店に行って、売り場で訊ねて買うのが一番」である。私の場合、『ターザン』などを結構今までに読んでいたから、シューズはどういうタイプが良いか、とかそういう知識だけは豊富だったんだけれども(女体に詳しい童貞のごとく)、店員さんは「どうして初心者用のシューズと、プロっぽい人用のシューズでは形が全然違うのか」とか言う話を、ちゃんと納得行く形で説明してくれたので大変タメになった。
それから今まで曖昧にしか知らなかった自分の足のサイズとか形とかも計測してくれるし、その後に自分にあったものを何足か出してくれてとても助かる。ただ、何足か試着して「あとは自分の好み。走っているときのフィーリングですね」と判断を委ねられたときは、迷ってしまったけれど。まさか、試着で「試しに走ってきます」というわけにはいかないだろうし……。
以下に、30分ぐらい店員さんと話したときに聞いて面白かった点などをまとめておく。
- ミズノとアシックスは、トヨタと日産
フルマラソンを制限時間内になんとか完走を目指す!ぐらいのランナーならば、やはり「ショックを吸収してくれるシューズ」が良いらしい。踵が厚くなっているヤツ(フルマラソンを3時間切ってくるようなペースのランナーになると、着地時に踵をつかわないため、踵が薄くても平気なんだそうな)。で、そういったタイプのシューズで断然コストパフォーマンスが高いのが、ミズノとアシックスの国産メーカー製品だそうだ。これらはちょうど、トヨタと日産のようなものであるらしい。
それぞれを履き比べた結果、ミズノのほうが軽量で裸足みたいな感じの履き心地。アシックスはしっかりと包み込んで足を守ってくれそうな履き心地。そのほかだとニューバランスの製品が「マジメなランナーのお客さまにも評判が良いですね」とのこと。裏を返すと、そのほかのナイキだのアディダスだのプーマだのの製品は「マジメなランナーのお客様には評判が悪い」ということなんだろうか……。まぁ、しかし、最終的には「フィーリング」だそうなので、評判が悪くても「これが好き」という人にはそれが良いシューズなのだろう。
- 良いシューズは、関節を守る
「ショックを吸収するタイプのシューズ」は、単に衝撃を吸収してくれるだけではなく、関節や靭帯が損傷するのを守ってくれるのだそう。割とゆっくりとしたペースのランナーの場合、着地した瞬間、足首がグシャッという感じで外側に曲がってしまうらしい(ちょうど『く』の字のように。速いペースのランナーの場合は、ねじれる前に次の一歩になってるからそういう現象は起こらない)。これが結構なダメージなのだそうだが、良いシューズだとこれらの関節の動きを補正して、なるべく曲がらないようにしてくれるのだという。
このため、最近のランニング・シューズのトレンドは「踵の外側に硬い素材を使い、内側には柔らかい素材を使う」らしい。このあたりの説明で、店員さんのテンションがマックスになり、ジャージの裾を捲り上げて「人間の足にの靭帯は………云々……十字靭帯が……云々」と言われたけど、半分ぐらい聞き流してしまった。店員さんの足は、もうなんか棒みたいな感じだったので、たぶんびっくりするぐらい速く長く走れる人なんだと思う。
- 追記
シューズ選びで気をつけたことは、普段サイズより1cm大きいものを。走り込むと解りますが足指への負担がある。ソールについては走り込んで筋肉がついてないようなら柔らかめで。
id:cool_ni_ikouさんのブクマコメントより。書き忘れていたけれど、まったく同じことを店員さんが教えてくれた。ジャストサイズの靴で長時間走っていると、たしかに足の指に水ぶくれができたりする。余裕のあるサイズだと、足の指が格段に楽。
ここからは雑感。結局のところ、良いランニング・シューズを履いたからと言って、劇的に足が速くなる、とか、長く走れるようになる、ということはないのだと思う。速く、長く走るのに一番重要なのは心肺。つまりは体力の勝負だ。で、足を保護してくれる良いランニング・シューズを履いていると「心肺はまだまだ大丈夫なのに、関節が痛くてもう走れない!」とかいうトラブルを防いでくれるのだそうな。なので、あんまり有り難味みたいなものってない気がする。買って最初の方は「前のよりも軽い!」とかあるけれども。
とはいえ、こういうものをよく選んで買うという行為はとても楽しい。スポーツ用品に限らず、カメラとか、ヘッドフォンだとかを選んで買うのにも似たような楽しさがある。もはやスポーツの楽しみの一部に「スポーツ用品を買うこと」が含まれてしまっているようである。
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