KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebrationposted with amazlet at 08.12.30キリンジ
コロムビアミュージックエンタテインメント (2008-12-10)
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昨日で仕事納めだったのだが、今年の年末年始は実家に帰らず東京で過ごそう、予定など一切入れまい、気ままに身体を鍛えたり、本を読んだりして、擬似隠遁生活でもしよう……と心に決めた私は、庵*1に篭って聴くべき音楽をいくつか仕入れてきた。近所のHMVに足を踏み入れて一番最初に目に入ったのは、キリンジのベスト盤である。活動休止期間を挟みつつ、もうメジャーデビューから10年もやってるのか……と驚きつつも、これまでちゃんと聴いたことがなかったので。
礼儀正しくDISC1の1曲目「双子座グラフィティ」から聴き始めたんだけれども、まず録音の良さにびっくりした。ヘッドフォンで聴いていてとても広い空間を感じさせる音の配置になっていて、いつも使ってるAKGのヘッドフォンの性能が向上したかのような錯覚さえ覚えた。これが海外リマスタリング&高音質CD(HQCD)の効果かどうかはわからないが、結構ドキッとするので試聴機を見つけたら試してみることをオススメしたい。
転調の多い楽曲や、ものすごく凝った構成を、半笑いで聴くのも楽しい。やはり「日本のスティーリー・ダン」というのは言い得て妙であり、キリンジとフェイゲン&ベッカーとの間には共通点が数多くある(特段ヴォーカルが上手いわけではない、という点とか……)。それら共通点のなかには、「世界観」も含まれているように思われる。
そして、それは「郊外っぽい感じ」であり、「都市の音楽ではないところ」だったりする。あくまで印象にすぎないのだが、キリンジとスティーリー・ダンのシティポップス感とは、郊外から都市を志向し、妄想/抽象によって形成されたものであり、フィクション的なリアリティによって支えられてる感じがするのだ。どちらもホンモノの都市の音楽ではないからこそ、都市の音楽としてのリアリティを得ている……ような。
何を言っているのかよく分らなくなってきたけど、このアルバムは買いだ。ただ、もしかしたら、オリジナル・アルバムのほうが私好みの「地味で変な曲」が収録されているのかもしれない。もしそうだとしたら「我こそは、キリンジ・フリーク」みたいな有識者の方、ご教授願います。
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