『要約 ケインズ 雇用と利子とお金の一般理論』

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要約 ケインズ 雇用と利子とお金の一般理論
J・M・ケインズ 山形 浩生
ポット出版
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山形浩生によるケインズの『雇用と利子とお金の一般理論』の「完全要約本」。この手のお手軽本は基本的に敬して遠ざけているのだが(安易に二次文献に頼るなっ、という学生時代に受けた教えにより)、経済学というほとんど門外漢ゾーンなら別に良いかな、と。本文のほうはこちらで一通り読むことができるし、要約じゃない全訳版だって読むことができるのだから、わざわざ書籍で買う必要って……と思うのだけれども要約者自身による解説がオプションとしてついてくる。これがケインズの経歴や、ケインズ以前以後の経済学史をざっくりとまとめた良文なので買う価値あり(飯田泰之も解説を寄せているが、こちらは『一般理論』のどこに掘りどころがあるか~などに触れたもの)。学生時代に経済学を真面目に勉強した、という自身がある人以外(教養として読んでみるか~、というノリの人たち)は、こちらの解説から読むのが良いと思う。





というか、実は「要約」のほうは結構内容が難しくて、ちゃんとしっかりノートを取ったり、手を動かしながら読んでみないと、念仏が頭のなかを通過していくごとき読後感しかなかったのだった。古典派経済学への批判の書、と言われても古典派経済学を知らないですし。これが「要約」と「30分でわかる」的な読み物との差だろうか。アニマルスピリッツが~、とか、美人コンテストが~、とか、なんか上手いこと言っている風な箇所で「オッ、なんかケインズって偉い感じなんですね」などとアホウのように感心してしまうだけでは、まるで自己啓発本にイチイチうなづいている残念な会社員のようである。





かくのごとく自分の残念さばかりが実感されますけれども「今年からはもうちょっと実学方面の勉強をしてみよう」という踏ん切りがちょっとつきました。色んな情報が飛び交う昨今、情報中毒になったり、極端な意見や扇動的な言葉の甘さに踊らされないためにも、経済などの実社会のお話を自分の頭で分別がつけられるようになることって重要だな、と思うわけです。無勉強で情報漬けになるとカルトにハマってしまうのと同様の精神状態におかされてしまう気がします。自分が衆愚政治を担う何かにならないためにも地道に続けていきたいです(本の感想よりも新年の抱負表明になってしまいました)。





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