フェルメールからのラブレター展 @Bunkamura ザ・ミュージアム

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先週の土曜日に観に行っていたのだけれど、感想を書き忘れていた展覧会について。

展覧会のタイトルにはフェルメールのタイトルが大々的にフィーチャーされ、どこぞの専門機関によって修復され色鮮やかに蘇ったフェルメールの絵画が世界に先駆けて鑑賞できる! というお話でしたが、これはちょっと誇大広告的でしょう。「十七世紀オランダの生活が垣間見える家庭画・民衆画」特集で、そこで当時のヨーロッパで手紙という通信手段はどのような役割を担い、どのように用いられたのかにも焦点が当てられている、というのが本当のところ。タイトルの「ラブレター」の部分はココにかかって来ていて、比較的地味な作品が集まるなかでフェルメールだけを宣伝素材として持ち上げすぎている、というのが率直な感想でした。展示作品も少なく、疲れる前に観終わってしまいましたし、これで1500円だったら映画を観たほうが良かったかなあ、いや、しかし、フェルメールのファンは多いでしょうから(ヒトラーとかね)端的な価値判断はできませんね。とはいえ、出口付近だけがやたらと混雑していたのは「え、もう終わりなの? 持ったいないからじっくり観なくちゃ!」という感情の現れのような気がするのですよ。

ただ、つまらなかったか、と問われれば、好きな絵もいくつかあって、楽しんで鑑賞できました。フェルメールは、あの独特のソフト・フォーカスっぽい感じを眺めていると「なんか近視が進んだのかな……」などと思ってしまいじっと見据えられなかったのですが、ピーテル・デ・ホーホの作品に出会えたのが収穫だったかな、と。

Google検索で調べたところによれば、ホーホはフェルメールの同時代人でかつ、活動していた場所も近かったそう。このことから、フェルメールとの比較対象として挙げられることも多いのだとか。そこでのホーホは「ほら比べてみてよ、フェルメールのほうがすごいでしょ」と分からせるためのかわいそうな扱いだそうですが、今回展示されていた「中庭にいる女と子供」「食糧貯蔵庫の女と子供」にある温かみ・生活感にはフェルメール以上の魅力を感じました。前者は画面全体が暖色系なので「温かい」というイメージが伝わるのは当然かもしれませんが、後者は薄暗い室内を描いたものです。その色合いはヨーロッパの寒さや、現代からすれば想像できない類の民衆的な暗さを覗かせる。でも、女と子供の親密さによって、その暗さが覆され、じわっとくる。自分が地味な色合いの絵を好む、というのもあるんですが良かったですよ。

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