cero
カクバリズム (2015-05-27)
売り上げランキング: 352
ceroの新譜を聴く。アルバムに先立つ2つのシングル「Yellow Magus」と「Orphans / 夜去」は、この半年ほどのあいだかなり繰り返して聴いていたが、本アルバムも何度も聴けそうな優れたアルバムだと思う。「新世代のシティ・ポップ」的な受容のされ方をしているのだと思うが、そこまで「シティ感」あるのかな。それこそ「シティ・ポップ」とはなんぞや、という話ではあるが、ジャンク・フジヤマは間違いなく「シティ・ポップである」と言い切れるが、ceroには、そこまで竹を割ったようにシティでも、ポップでもない。もやりとしたダークな雰囲気がある、と思う。本作もまるでディアンジェロみたいなはじまり方をするし。シティに開放されている、というか、シティの閉塞のなかで少し鬱屈しているような、そういう感じである。本人たちのインタヴューを読むと、渋谷系への言及があり、実際に小沢健二のカヴァをしていたりもするのだが、そのあたりの空気感をこのバンドは共有しているのかもしれない。音楽性的にも、ネオ・ソウルやブラコンを再解釈した感じってあるし、そこもまるで渋谷系的であると思う。演奏能力的な問題で完全にそれっぽくならないところとかも含めて。目指してるものが明確にありながらも、結果的になんか別物になっちゃった感じは、イギリスのジャズ・ロックだとかカンタベリー・ミュージックみたいでもあると思うのだが、それは変拍子がでてくるから余計にそう思うのか。
(彼らのヴィジュアルって、めちゃくちゃサードウェーヴ系男子だなあ……)
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