美の饗宴

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ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番
グリモー(エレーヌ) ラフマニノフ
コロムビアミュージックエンタテインメント (2004/12/22)
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 クラシックの世界で美しい容姿を持つ演奏家の録音が店頭に並んでいるのを目にするようになったのは、つい最近になってからの気がする。しかし、なかには実力の伴わないヴィジュアル系が多くいるのは実状で、特に日本人のアイドルみたいな演奏家には一人も聴いて得をするようなものがないのが残念。のだめカンタービレの世界のようにヴィジュアルと音楽的才能を兼ね合わせた人というのはなかなかいないのである。


 が、しかしギャボーな感じで「天は二物を与えず」という通説をぶち破る人もいる。エレーヌ・グリモーというピアニストはまさにそんな感じで「事実は小説よりも奇なり」という知らしめる存在だろう――フランス出身の彼女は、13歳でコンセルヴァトワール(のだめが現在留学中の)に入学、15歳のときに首席で卒業し即CDデビューを果たす、という生きる伝説みたいな人なのだ。デビュー・アルバムに収録されているのはラフマニノフのピアノ・ソナタ第2番。ジャケットに写るのはあどけなさが残る「可憐な美少女」だが、演奏は「ほんとにこの人が弾いているの……!?」というぐらいパワフル。ラフマニノフの難曲を軽やかに弾ききってしまっている。緩叙楽章におけるスッキリした音楽の運びが「若すぎる」という印象を与えるのは否めないのだが、素晴らしい。



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 こちらはバッハの《シャコンヌ》(ブゾーニ編曲版)を弾いている映像。ある時期からグリモーも演奏中にエクスタシーを感じるシャーマンのような演奏家になってしまったのだが、この「音楽への陶酔」にはクラシック音楽における演奏家の女性性が表れているように思う。まぁ、美しい人が美しい音楽をやっている、という姿に心惹かれないわけがないのでそんなことはどうでも良いんだけど。


 現在はニューヨーク在住で「ウルフ・センター」という団体を設立して野生の狼を保護する運動を行っているそう。こういうところにもまたグリモーの「マンガっぽさ」を感じる。





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