Youtubeで聴く!20世紀のヴァイオリン協奏曲2

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 20世紀におけるロマンティックな音楽といえば、イギリスの作曲家たちも忘れてはいけません。近代に入ってエドワード・エルガーが現れるまでイギリスには目だった作曲家が存在しなかったのですが(バロック期以前には良い曲を書いている人が結構いる)、その後、エルガーの影響を受けた作曲家たちが活躍をしています。ウィリアム・ウォルトンもエルガー以降の作曲家の一人。こちらは彼のヴァイオリン協奏曲(第3楽章)。ダイナミックかつドラマティックな展開がカッコ良い。



シベリウス & ウォルトン: ヴァイオリン協奏曲
諏訪内晶子 ウォルトン シベリウス オラモ(サカリ) バーミンガム市交響楽団
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 録音はチャイコフスキー・コンクールの覇者、諏訪内晶子のものが好演。美しい音色で、端正に音楽を作り上げるのがこの演奏家の特徴ですが、ここでも彼女の持ち味が生きているように思います。劇的な音楽のうねりが綺麗にまとまってしまっていることに物足りなさを感じるかもしれません。紹介した映像で弾いているチョン・キョンファとはまるで正反対のように思います。



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 さて、次はイーゴリ・ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲(第1楽章)です。ストラヴィンスキーといえば、バレエ音楽《春の祭典》で従来の西洋音楽におけるリズム語法を解体するというスキャンダルを巻き起こしたことが有名ですが、その後、新古典主義と呼ばれる作風になってからの作品も素晴らしい。この協奏曲もその時代のものですが、全楽章が同じフレーズで始まるという「悪ふざけ感」がとても楽しいです。



Stravinsky, Prokofiev: Violin Concertos
Sergey Prokofiev Igor Stravinsky Daniel Barenboim Chicago Symphony Orchestra Itzhak Perlman
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 これはイツァーク・パールマンの演奏がとても面白い。この時期のストラヴィンスキー作品はほとんど「音楽の冗談」みたいな曲が多く、深刻さはまったくない。その一方で、音楽はとても巧妙に作られていて、まるでモーツァルトが20世紀に甦ったかのような遊戯性を感じます。ここにパールマンの天才的な音楽性(まったく重みがない!)が絶妙にマッチしている。ヒラリー・ハーンの演奏も素晴らしいのですが、これはちょっとシリアスに捉えすぎのような気もします。紹介した動画(チャイコフスキー・コンクールでのシン・ヒョンスの演奏)もかなり良いですね。



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 次は、ポーランドのクシシェトフ・ペンデレツキのヴァイオリン協奏曲第2番(第1楽章)。ペンデレツキは1960年代にトーン・クラスター(音程が微妙にずれあって高密度な不協和音の集合を、音の塊として操作する技法)によって一躍前衛音楽の寵児となった作曲家ですが、その後、転向。それまでの前衛的な技法と、ネオ・ロマン的な音楽の融和点を探るような作風へと変わっていきます。アンネ=ゾフィー・ムターのために書かれたこの作品もその時期のもの。残念ながら、これが亜流のショスタコーヴィチみたいにしか聴こえないのが悲しい。前衛の迷走を示すものとして、この作品は聴かれてしかるべきかもしれません(ちゃんとムターはこの作品を録音しているのが偉い)。



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 最後はアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲です。前衛もまたひとつのロマン主義であったことを告げる名曲。





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