フィリップ・コーラン&ザ・アーティスティック・ヘリテージ・アンサンブル

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On the Beach
On the Beach
posted with amazlet on 08.03.15
Philip Cohran & the Artistic Heritage Ensemble
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 サン・ラ・アーケストラの初期メンバーであったフィリップ・コーランが結成したザ・アーティスティック・ヘリテージ・アンサンブルがすごい。なにがすごいってその黒さが。彼らの音楽は「畸形的なカウント・ベイシー楽団」みたいな表現がぴったりきます。ビッグバンドがリフを何度も何度も繰り返すことによって音楽がどんどん回転していくんですが、リズムの訛り方がえらいことになっていて、それがかなり体幹にくるグルーヴを生み出しているような感じ。曲はかなりポップなんだけど、呪術的な雰囲気があって最高です。


 67年の『On The Beach』は彼らが自主レーベル「Zulu」に残した唯一のアルバムだそう。後にマイルス・デイヴィスのバンドで大活躍するピート・コージーもバンドに参加しています。



The Malcolm X Memorial (A Tribute in Music)
Philip Cohran and the Artistic Heritage Ensemble
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 レーベル名からも推測がつくかと思われますが(ズールーとは南アフリカの95%を占める民族の名)、思想的にもかなり真っ黒。マルコムXへのトリビュート盤なんかも出しています(このジャケット、最高!)。あと女性ヴォーカルが「アフリカンの見た目は美しい」と高らかに歌う曲があったり、シカゴのスラム街のどまんなかに「アフリカン・アート・シアター」なる劇場を作ったり(これはキング牧師暗殺とともに閉鎖)と、フィリップ・コーランの活動には黒いエピソードも満載。


youngerdays


 なんでも彼はカリンバ(親指ピアノ)をアメリカに初めて紹介したミュージシャンだそうで、このバンドでも彼は自作のエレクトリック・カリンバを弾いている。彼が「フランキフォン」と命名したこの楽器の音は、バンドの特徴のひとつともなっているわけですが、「黒人が《白人の考えた楽器》でもって、黒人的な音楽をやる」というジャズの特殊な音楽性のなかにオリジナルな黒人の楽器(=カリンバ)を持ち込む行為にはおそらく政治的な意図もあったことでしょう。


 上記の二枚のアルバムは輸入盤ですが、日本盤には彼らがお金を出し合ってプレスし、ライヴ会場で手売りしていたというシングル盤の音源を収録した編集盤があります。



SINGLES (紙ジャケット仕様・リマスター)
フィリップ・コーラン・アンド・ザ・アーティスティック・ヘリテッジ・アンサンブル
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 これも名ジャケ(暴動か!っていうぐらいの黒い群集の前で演奏しているかなりすごい写真)。日本盤にはフィリップ・コーランの生い立ちから現在まで(1927年でまだご存命)の活動を詳細に記したライナーもついています。


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 最近のフィリップ・コーランの写真。良い味。



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 動画もあった。ちょうどフランキフォンを弾きまくってる*1






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