大井浩明のベートーヴェン全集プロジェクト

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ベートーヴェンフォルテピアノのためのソナタ集 Plaudite Amici V
大井浩明
OPUS55 (2008-10-22)
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 ベートーヴェンのピアノ・ソナタについては、基本的にバックハウスが演奏した全集と、ホロヴィッツやリヒテルの名演奏が残されているいくつかの曲を押さえておけば事足りてしまうんじゃないか、と思っている私だが大井浩明によって進められている「全集プロジェクト」には思わず食指が動いてしまった。何せ「ベートーヴェンが作品を作曲した当時のフォルテピアノによって演奏する」という極めて個性的な演奏である。しかも、リスト編曲による交響曲のピアノ版もすべてカヴァーするのだとか。やはり、独学でクセナキスを演奏するまでに至ったという異色のピアニストだけあって、やることが違う……。


 10月末にリリースされた全集の第1弾では、《月光》が収録されているものを一枚購入した。よく考えたら、現代のピアノではない古楽器で演奏されたベートーヴェンを聴くこと自体初めてだったのだが、この1800年頃のフォルテピアノを再現した楽器による演奏を聴くと、現代のピアノ(スタインウェイとかヤマハとかが作ってる黒くて大きいあのグランド・ピアノ)がいかに洗練された楽器であるのかが分かる。これは新鮮な体験だった。フォルテピアノは音域によってかなり音色も違って響くし、何か少し不恰好な、エレガンスに欠いた趣がある――しかし、それがベートーヴェンのイメージと合っている、と思えなくもない。


 今のところ、この「新しい響き」を楽しむ段階に留まっているのだけれども、続きが楽しみだ。





6 件のコメント :

  1. ウサギ/和田友美火曜日, 18 11月, 2008

    はじめまして。
    私もお聴きになっているCDを持っていて聴いています。
    5は銀色に光る夜の森みたい。大きな岩に触れた時のような固くてゴツンとした手触りです。
    質料を感じます。
    Op.27No.1のギャロップのところやNo.2≪月光≫が好きです。
    大井さんはエレガントではなくてマニフィックなピアニストなので弾いてる人の印象が
    強く出ているように感じました。
    もう一枚持ってる4は明るい陽光に照らされた昼間の森のようです。金色に輝いている。
    私はこっちをよく聴いています。本当に続きが楽しみですね。

    こないだ大井さんが弾かれたシュトックハウゼンの≪自然の持続時間≫を聴く機会がありました。
    第24曲は日本初演だったのですが、この前もこの後もこの演奏を超えるのがあるのだろうかと思わされました。

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  2. はじめまして、コメントありがとうございます。「エレガントではなくてマニフィック」たしかにそうかもしれませんね。エレガントに演奏されたフォルテピアノもチェックしてみたくなりました。古楽器についてはよく知らないのですが、探求すると本当に面白いです。大井さんは関西を中心にして活動されているので、なかなか聴く機会がないのですが、シュトックハウゼンの初演はうらやましいです。

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  3. 現代音楽の専門家がクラシックを弾くと意外とアルディティのように駄目なのが多いです。
    さあて彼はどうでしょうエマルーぐらいの確立で成功するでしょうか?

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  4. ギーレンの指揮したブラームスは大好きです。ベーム/WPOのものと同じぐらいよく聴いていました。

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  5. ギーレンはユダヤ系でドイツ系なので凄くごつごつした演奏が特徴ですね。
    決して不器用で耳が悪いのではなくて本当にそうしたいようです。

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  6. いま,BSで大井さんの弾くリスト編曲の英雄や大フーガが放映されていて,本当に圧巻ですね.

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