コンパス・デル・スルposted with amazlet at 11.11.12松田美緒
ヤマハミュージックアンドビジュアルズ (2011-10-19)
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ショーロ・クラブの『武満徹ソングブック』*1でも素晴らしい歌声を聴かせてくれた日本人女性歌手、松田美緒の新譜を聴く。彼女の存在を知ったのも『武満徹ソングブック』が初めてだったが、ショーロ・クラブとは何度も共演を重ねているようで、ポルトガル語圏・スペイン語圏の音楽への彼女の取り組みはかなりトップランナー的、といっても過言ではない。今回の『Compás del Sur(南のコンパス)』はウルグアイとアルゼンチンで録音され、現地の著名ミュージシャンとの広い交流のなかで制作されている。とはいえ、知っているのはアルゼンチン録音でのカルロス・アギーレぐらいであって「ウルグアイ音楽界の重鎮、ウーゴ・ファトルーソ」と言われても、へ、へえ……とうなづくしかないのだが、彼女の活動によって南米の音楽への新しい門戸が解放されていくのもまた楽しい。
伸びやかに澄む歌声は、土地や文化と優雅に戯れる自然体の歌姫、という形容に相応しい。それを支えているカンドンベ(アフリカ系ウルグアイ人のなかで伝えられてきたパーカッション音楽)のリズムは、なんだか大変なことになっており、ラテンのリズムとアフリカのリズムが融合してできあがっているマジカルな南米音楽の神髄をまたひとつ見せつけられてしまう。また「モンテビデオ・ボッサ」と副題がつけられた「Azur」でのウルバノ・モラレスや、「Vidala que ronda」でのカルロス・アギーレとの歌の共演も素晴らしい。
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