土岐麻子 / Standards in a sentimental mood: 土岐麻子ジャズを歌う

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STANDARDS in a sentimental mood ~土岐麻子ジャズを歌う~
土岐麻子
rhythm zone (2014-11-19)
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ジャズ・ヴォーカルの世界はほとんど門外漢といったわたしであって、自宅にある録音も、こないだから聴きはじめたこの土岐麻子によるスタンダード曲集と、UAと菊地成孔のコラボレーションしか持っていない。土岐麻子によるスタンダード曲集は本作が4枚目となるそうで、プロデュースは父親であるサックス奏者の土岐英史によるもの。日本を代表するジャズ・サックス奏者であり、山下達郎のバンド・メンバーとしても長く活躍していたプロデューサーによる音作りが、本格的でないハズがなく、フリューゲルホルンの市原ひかりの人選など「あ、この人は、山下達郎のアルバムに参加していた人か」といくつもひっかかりがあった。悪く言えば、凄腕スタジオ・ミュージシャンによる「ジャズらしいジャズ」という感じなんだけれども、熱い聴きどころはいくつも隠されている。山木秀夫によるドラムとか静かに熱くなってしまう。

そう、表面上は土岐麻子のキュートなヴィジュアルを想像しながら聴く『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』(この本は読んでないけども)的音楽でしかないんだけれども、実に深い。土岐麻子のヴォーカルは、とても行儀が良い感じがあって、UAなんかの魔術的とさえ言える黒っぽさとは対極にある、けれども、どこか、ブラジルの女性歌手のように、深く、心の柔らかい部分を刺激してくるようなエモーショナルな上手さを感じさせるのだった。そういえば、土岐英史は日本におけるブラジル音楽のパイオニアのひとりでもあるのだったな、ということを思い出し、隠れたつながりを見つけた気分にもなる。ともあれ、これで土岐麻子がボサノヴァをこのメンバーでやりだしたら『カフェでよくかかっている……』になりすぎちゃうか。

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