ルイジ・ノーノ《死の間近な時 ポーランド日記第2番》

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 昨日に引き続き*1、ルイジ・ノーノ作品の最新録音を。何度か聴きかえしているのですが、この録音はやはりヘッドフォンで聴くと音の処理の仕方のすごさが手に取るように分かって面白い。マルチチャンネルのソフトなので、ちゃんと環境を整えて聞いてみたくもなった。作品内容/演奏内容ともに素晴らしいから、現代音楽に興味がある方には是非買って聴いてほしいCDである。違法DLとYoutubeでばっかり音楽を聴いていると、鼓膜と精子と羊水が腐るよ!


 CDの2枚目に収録された《死の間近な時 ポーランド日記第2番》、こちらも《冷たい怪物に気をつけろ》と同様、声楽と器楽とライヴ・エレクトロニクスのための作品である。どちらの作品にも全体の雰囲気が静謐で、音数をものすごく絞ってある印象を受けるのだが、《死の間近な時 》のほうがずっと厳しく、鋭い音が並んでいる。《冷たい怪物に気をつけろ》が不気味なほど美しい音響作品であるのに対して、こちらの作品で聴かれる4人の女性による声は悲痛な叫びのようだ。

 ちなみにどちらの作品もテキストは、イタリアの哲学者マッシモ・カッチャーリによって書かれている*2。これについて私はイタリア語をまったく知らないため、CDに付いてくるブックレットを読んでも何を歌っているのか把握することは不可能だ(英訳なし。イタリア語解説を英語に移したものには、政治的な意味合いを含むテキストであることが少し書かれている)が、個人的にはテキストが理解できなくとも問題がないと思う。ノーノの作品はテキスト以上に何かを伝える方向へと向かっているのだから。




*1ルイジ・ノーノ《冷たい怪物に気をつけろ》 - 「石版!」


*2:ルイジ・ノーノとマッシモ・カッチャーリの交流については、浅田彰による浅田彰【音楽・政治・哲学――ノーノをめぐって】に詳しい





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