Rafael Martini / Motivo (diskunionサイトへのリンク)
先日、セカンド・アルバムの日本盤が発売され一部の音楽ファンのあいだで大いに盛り上がっているアントニオ・ロウレイロですが、今度はロウレイロのアルバムにも参加しているピアニストのハファエル・マルチニのソロ・アルバム『Motivo』を聴きました(ハファエル・マルチニの今回のアルバムは全曲ダウンロード可能になっているようです)。彼もまたミナス・ジェライス出身の若手ミュージシャンの注目株のひとりです。このアルバム、パーソネルを確認するとロウレイロのアルバムとほとんど演奏している人が同じなのですが、こうしたところからも現在のこの音楽シーンの盛り上がりがうかがえます。カエターノ・ヴェローゾの息子世代のバイーア系のミュージシャンたちが成熟期を迎えつつあるなか、ミナスではさらに若い世代が才能を磨いている……といった状況なのでしょうか。
この界隈のミュージシャンでは、今年はアレシャンドリ・アンドレスもソロ・アルバムを出しており、これもネットでダウンロードできます。それぞれのアルバムを聴いて面白いのは、同じ空気感を共有していながらも、ハッキリと違った音楽を提示しているという点。もっともアヴァンギャルドなのはロウレイロに違いなく、マルチニはそこから少しトゲを抜いてやったアコースティックな楽曲群を聴かせてくれます。さらにそこからマイルドで、室内楽的な響きを聴かせてくれるのはアンドレスのアルバム……という風に並べてみると、ミナスで活動している才能ある若手の世界観がいかに多様なものとなっているかがわかるかもしれません。
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