ヴァルター・ベンヤミン 『パサージュ論』(4)

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パサージュ論 第4巻 (岩波現代文庫)
W・ベンヤミン
岩波書店
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ここまで淡々と『パサージュ論』を読んできましたが、この第4巻が一番取りつく島がない、というか一番難しい巻な気がします。「サン=シモン、鉄道」、「陰謀、同業職人組合」、「フーリエ」、「マルクス」、「写真」、「人形、からくり」、「社会運動」という項目が収録され、有名な社会主義思想家の名前が挙がっている。しかし、こうした重要そうな名前がこれまでの項目で窺える「未完成のパサージュ論」とどのように繋がるのかがよくわかりませんでした。

マルクスはまだ良いとして、フーリエですよ。マルクス & エンゲルスに「空想的社会主義者」として批難されたあの、シャルル・フーリエの愉快極まりないトんでるユートピアが紹介されているんですが……トんでいるとは言え、これは一種の都市設計なのであり……云々、とでも言うつもりだったのでしょうか……。「フーリエ」の項は『パサージュ論』のなかでも特別に異色な感じがします。フーリエが提唱するユートピアが実現すると、海水がレモネードに変わり、ライオンのような猛獣も郵便事業に役立てることができ、人間が水中に住んだり、空を飛んだりできるようになる……! とかそういう楽しげな感じのことが言われており、また惑星のパワーが人間に与える影響などは占星術的でもありますから興味深い人ではあるのですが(転生のアイデアなどは20世紀のニューエイジ思想にどれだけ影響を与えているのか、など個人的には気になる)、スゴ過ぎてよくわからない。

「サン=シモン、鉄道」という項にしても大体労働者がどうした、とか、どんな風に新聞が売ってたとかそんなことばかり書いてあって「鉄道」の話はどこへ消えたのか、という具合。「写真」や「人形、からくり」の項が辛うじて読めそうな雰囲気があるんですが、うーん、こういうものしか読めないのも、ベンヤミン = 20世紀消費社会論のパイオニア、みたいな観点からしか読めていない、という悪い傾向なのかもしれません、が、わっかんなかったですね……。ホント、3巻読んだときに、うん、ベンヤミン、読めるぞ! という感じがしたのが幻だったかのようだよ……

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