Pierre-Laurent Aimard / Bach: Well-Tempered Clavier, Book 1

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Well-Tempered Clavier 1
Well-Tempered Clavier 1
posted with amazlet at 14.10.18
J.S. Bach
Deutsche Grammophon (2014-08-19)
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最近とくにクラシック音楽には疎くなってしまっていて、ピエール=ロラン・エマールが出したバッハの平均律(第1巻)の録音をチェックするのも遅くなってしまった。我が家にある平均律のCDはこれで4組目。リヒテル、アファナシエフ、グールド(第1巻のみ)、そしてエマールの録音である。好きなピアニストだったし、現代的な録音で、かつ、(アファナシエフのような)異端的な解釈でなくこの楽曲を聴き直してみたい、とはずっと思っていた。

現代音楽のスペシャリストが弾くバッハ、というと、斬新で、あっと驚かせてくれるようなものを期待してしまうけれど《フーガの技法》の録音と同様、そうした奇をてらったものではない。むしろ、こうしてモダン・ピアノを使用し、ノン・レガートで弾かれるバッハというのは伝統的である。

とにかく落ちついた演奏だ。「雰囲気」や「気分的な高揚」がまったく見られないこのバッハからは、退屈さと同時に、お勉強臭さが醸し出されれているように思われる。それを良さげな言葉で還元するならば「学究的な世界観の提示」ということになるだろう。言ってしまえば、演奏する主体が透明なのである。音楽を演奏する「私」を響かせているのではなく、私が「音楽」を演奏している、というか。これは「抑制こそが最大に声を大にした表現」であるかのような、逆説の提示であろう。

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