Vashti Bunyan / Heartleap

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Heartleap
Heartleap
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Vashti Bunyan
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ヴァシュティ・バニヤンの名前を知るきっかけは音楽雑誌『ストレンジ・デイズ』の渚十吾の連載「バナナ・エンサイクロペディア」だったと思う。1970年だしたデビュー・アルバムはまったく評価されず、失望した彼女はスコットランドの田舎で3人の子供を育てる母親として暮らした。しかし彼女のアルバムは、その後徐々にリスナーを増やしていき、ヴァシュティ・バニヤンの名前は「幻の名盤を出したカルト的な人気歌手」として知られることになる。2000年になるとアルバムはCDでも再発される。わたしが知った彼女の名前はそういう伝説的な歌手というか生きた化石みたいなものだった。2005年、35年ぶりのセカンド・アルバムのリリースも「スゴい話だな……!」と驚いたことを覚えている。

でも、実際に彼女の音楽に触れるのは、セカンドから9年ぶりのサード・アルバムである本作なのだった。シンセサイザー(と言ってもほとんどエレピの音色だけが使用されている)とピアノ、ギター、ストリングスに時折、リコーダーなどの木管楽器が入るとても柔らかな伴奏の「背景」で、ヴァシュティ・バニヤンの歌声は、一枚のカーテンのようなフィルターがかかった場所から響いている。簡単な言葉を使えば、神秘的な感じ、幻想的な感じ、という表現で片付けられるかもしれない。けれども、わたしがこの音楽に思うのは、神秘や幻想といった日常から遠いところにある世界、ではなく、普通に生活をおこなうなかで白昼夢に出会ってしまう、というか、覚醒しながら夢を見るような感覚だった。それから、子守唄のようにも聴こえる。まったく、こんなにスゴい世界観を持つ歌手だったとは……とめちゃくちゃにヴァシュティ・バニヤンの音楽に引き込まれてしまったよ。

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