Prince
Warner Bros / Wea (2014-09-30)
売り上げランキング: 22
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というか、アルバムだしてなくてもこの人の場合、なにかとニュースになりがちである。忘れられることなく話題にあがりつづけていても、謎の多いミュージシャンであり続けてもいるのだが。股関節だったかお尻に病気をかかえているから杖なしでは歩けない、ライヴももう無理だ、しかも宗教上の理由で手術ができない、などという噂もあった気がするが、どうなったんだ……? 今回も古巣のワーナーへの復帰がひとつのトピックとなっているけれど、かつての確執はどう解消されたんだ……?
ともあれ、前作の『20Ten』が、あまりにも微妙な一枚であったから(言うなれば『Kiss』も『Sometimes It Snows In April』もない『Parade』的な微妙さ……いや、でも聴き直したら結構良いな……)寂しい思いをしていたので、待ってたゼ、という感じである。しかも、2009年以来の2作同時リリースだ(2009年は、自分でプロデュースしたブリア・ヴァレンティのアルバムもセットにした3枚組で売っていたが……)。まず本作を再生してみて驚いたのが音の広がりである。ジャケット写真から、第3の眼が開いちゃってますよ、的なアピールは伝わってくるのだが、こんなに定位感に広がりのある音作りをこれまでしてましたっけ……、と思った。音の作り方からして、再出発感を演出しているのである。小室サウンドっぽい1曲目から度肝を抜かれていると、続く2曲目は昨年のDaft PunkによるAORリヴァイヴァルを彷彿とさせてきて死んでしまう。カッコ良すぎる。
全体をざっくり振り返ると、バラードもあれば、プリンスらしいニューウェーヴ・ファンクもあって、非常に多彩な一枚である。多彩すぎて本作は「プリンスはどこへ向かおうとしているのか」というのが一向に掴めず、翻弄されてしまう、とも言える。『The Rainbow Children』以来、ここまで一枚で色んなキャラクターの曲が入っているアルバムもなかったんでは……と思う。ひとつだけ言えるのは、ギター成分はかなり控えめです。ギターはもう一枚の3RDEYEGIRLとの共演名義で弾きまくっている。
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