ハーンの鼻がもっとカッコ良かったら、世界は変わっていただろう

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バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番
ハーン(ヒラリー) カヘイン(ジェフリー) ロサンゼルス室内管弦楽団 バッハ バーチャー(マーガレット)
ユニバーサルクラシック (2003/09/26)
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 6/14の毎日新聞の夕刊でヒラリー・ハーンがインタビューに答えている記事があり、26歳の若手とは思えない発言をガシガシ繰り出していた。「自分の意にそむいて相手に合わせても、相手は責任を取ってくれません。自分が思うことの信念を通せば、結果はどうなろうとも構わないと思います」…だって。





 最近の演奏家って大概「○○コンクール優勝!」「最年少で○○コンクール入賞」とか経歴がついてデビューしてくるのだけれど、彼女の場合「コンクールの背後にある政治が嫌い」という理由でコンクールには一度も出ていないらしい。けれど、彼女が若手ナンバーワンの実力者だと思っている人は多い。人気がある人なのである。まさに「無冠の女王」。諏訪内晶子の代役で来日していたけれど、はっきり言って諏訪内なんかよりずっと良い演奏を聴かせるはずだ。





 と絶賛しつつも、ソニーからドイチェ・グラモフォンへレーベルを移してからのハーンの録音をまだ耳にしていなかった。ので友人に借りて聴く。バッハの作品でデビューした彼女の二度目のバッハ。ものすごく端整な演奏で好感を持った。この人の魅力は、猛烈でわざとらしいルバートなどを使わず、あくまでクールに演奏していくところにある。硬い膜の中に弦の豊かさが感じられる音色も良い。不感症ギリギリの内に秘めたパッションというか。ハイフェッツと比べられるのも分かる気がする。この演奏には「バロック音楽的なヌルさ」は一切無い。新鮮で現代的なバッハ。昨年のクレーメルの二度目の『パルティータ&ソナタ全集』とはまた違ったアプローチで、こういう攻め方もありか…と思った。





 この録音唯一の不満は、《2つのヴァイオリンのための協奏曲》で第二ヴァイオリンのソリスト(伴奏を担当したロサンゼルス室内管弦楽団のコンサートマスターが受け持っている)とハーンの実力が歴然としすぎていること。ハーンと比べると第二ソリストの音色は笑っちゃうぐらい貧しい。しかし、逆にそうやって音色の差をつけることによって、複雑なフーガの主旋律と対旋律を明確に提示しているのかもしているのかもしれない。…けど、これ明らかに技量が追いついてないだろ…。ハーンのテンポに追いつこうとして、音の処理が雑になったりしてるもん…。





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