チェーホフのまなざし

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かわいい女・犬を連れた奥さん
チェーホフ 小笠原 豊樹
新潮社 (1970/11)
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 近所の商店街でエロ本ばかりを置いている本屋にふらり立ち寄り買った本。どこにでもあるような「名作」はなるべく小さな本屋で買うようにしている。





 チェーホフが女性の外見を描写している文章って細やかで良い。ただ、「嘗め回すように眺めて書きました」的なエロさは無く、なんか真面目な美学生が「勉強でコツコツとデッサンをしました」的な爽やかさがある。でも少し、エロ。爽やかエロ。つまり、チェーホフは岩佐真悠子ということである。嘘ですけど。





 まぁ、女性に関する描写に関してだけでなくチェーホフの描き方は徹底したリアリズムである。俗悪な社交界だとか、フランスかぶれの家庭だとか、帝政ロシア末期の煤けたような生活が浮き上がるようだ。そこにはチェーホフの批判的なまなざしが感じられるのだけれど、でもちょっとやりすぎじゃないか?『かわいい女』の主人公の滑稽なまでの空虚さだとか結構ゾッとするよ。





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