「ニュー・ワールド」の赤ワインをいろいろ試して飲み暮らしていることは、『初歩からわかる新大陸のワイン入門』(名著なので最新版にアップデートのうえ、復刊されて欲しい)という本をご紹介したときにも記した。で、本日は、飲み暮らしで得られた知見をまとめながら、2000円代かそれ以下でAmazonで買えるものをあげてみよう。以下、ぶどうの品種ごとにご紹介。
「ワインを飲んでます」という実感が持てるのがこの品種の特徴であり、家で飲むなら赤身のステーキ肉をいい具合に焼き上げてあわせたい。重口の赤が好きならぶっちゃけチリかアルゼンチンのカベルネ・ソーヴィニヨンを選んでおけば、ひとまず外れることはない。それぐらいコスパ最高感があるけれど、チリのモンテスはそのなかでも屈指のポピュラリティとクオリティをあわせもつ。年によって値段はばらつきがあるが、正直、なにを飲んでも美味しい。なにしろ、ニュー・ワールドは「毎年がグレート・ヴィンテージ(天候が良い年)」なんだから。
なお、モンテスがアルゼンチンの畑で作っているのが、こちらのモンテスになる。だいたい値段はモンテスと同じくらいかちょっと安いぐらいで売っているので飲み比べてみても面白い。とりあえず「安くて、旨い」ことは間違いなく伝わるであろう。
当初「カベルネ・ソーヴィニヨン」一辺倒であったわたしだが、最近はピノ・ノワールに傾倒。1000円〜2000円ぐらいの価格帯のカベルネ・ソーヴィニヨンを飲んでると「安い、旨い」みたいな感想しか出てこなくなり飽きてくる(いろいろ飲んでいてもその程度の舌ということである)。ニュー・ワールドのカベルネ・ソーヴィニヨンは優等生すぎて困ってしまうのである。それに対して、ピノ・ノワールは同じ価格帯でも味にバラつきというか変化があって楽しい。軽口から中重のなかで、いろんなヴァリエーションを感じる。
「カルフォルニア・ワインの父」と称されるロバート・モンダヴィのプライベート・セレクションのピノ・ノワールは、大変酸がきれいでスルスルと飲めてしまう。そして栓を開けてから時間が経つにつれてまろやかさが増していくので驚いた。
チリのアナケナのピノも最近、飲んで美味しいな、と思った。ラズベリーのような豊かな果実味でこれもスイスイ飲める。「カベルネ・ソーヴィニヨン」のところで紹介したチリのモンテスとカイケンのピノ・ノワールももちろん優秀です。
カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワールはとても有名な品種なのでワイン通でなくとも「そういうものがある」ということぐらいは知っている人が多い。しかし、ジンファンデルとなるとそうではない。シラーとかメルローもっと有名な品種はあるのに、なぜ、ジンファンデルなのか、というと最近「おお、こういうのもあるのか」と実際飲んでみて大変驚いたから。カリフォルニアはソノマの畑で作られたクラインのジンファンデルは、果実味が豊か、というかジュースみたいにフルーティーでありながら、しっかり飲みごたえがある。日本産赤ワインでよくあるでしょう、ほぼジュースみたいな甘口のワインが。あれはあれで美味しいけれど、こちらはちゃんとワインになっている。
わたしは最近、小粒のイチジクとピーカンナッツを食べながら飲むのにハマっている。ナッツはくるみでも良いけれど、ピーカンナッツのほうが少し渋みがあるのでワインにはしっくりくる。干しぶどうは「TIARA & TIXY」のやつが旨い。たまに酒屋さんに行くと「新物!」的なラベルが付いているものが売っていて、それはもう別物みたいに美味しい。
あと、これはめちゃくちゃ邪道だけれども駄菓子も普通にあう。ビッグカツに赤ワインとか最高に良い(ビッグカツに最もあうワインを探したくなってくる)。
百貨店の地下では毎日のようになんらかのワイン・フェアを開催しているのでありがたく試飲させてもらおう。その際、物乞いのように小さなカップでワインをいただくのではなく、あれこれ質問してみること。お店が激混みなときは迷惑になるかもしれないが、大抵親切にいろいろ教えてくれる。もちろん相手はプロなので驚くほど詳しい。「渋いのが好きなんですけど、このなかではどれですか?」、「飲みやすいのが良いんですけど、おすすめはどれですか?」、「このボトルとあのボトル、どうちがうんですか?」こちらから興味を持って聞くことで、自然と自分の好みやワインのことがわかってくる。
インターネット上では「美味しいワインを選ぶならニュー・ワールド!」とライフハック的に語られている。それは100点に近い正解ではあるのだが、いささか乱暴ではある。フランスやイタリアにも安くて美味しいものはあるわけだし、ワインを選ぶ楽しみ、っていうのもあるわけで。こういう記事を書いていて最後に矛盾するようだけれど、人に聞いて、いろいろ迷いながら飲むのが良いと思います。
カべルネ・ソーヴィニヨン
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「カルフォルニア・ワインの父」と称されるロバート・モンダヴィのプライベート・セレクションのピノ・ノワールは、大変酸がきれいでスルスルと飲めてしまう。そして栓を開けてから時間が経つにつれてまろやかさが増していくので驚いた。
ジンファンデル
ワインとなにをあわせるか
ワインを飲むにあたっては「なにと一緒に飲むか」も大変重要である。赤ワインには肉というのは基本的には間違いないのだが、そうそう毎回ステーキばかり食べるわけにはいかない。「今日はワインを飲みたいけれど、今日の食事だとワインじゃないな……」というときは、食後にドライフルーツやナッツなどとあわせて飲むと良いだろう。どうやったら美味しいワインを見つけられるのか
以上、長々と講釈をたれてきたけれども、最後にワインの選び方についても記しておく。「美味しいワインを見つける」という秘訣はたった一つしかない。それは「詳しい人に聞くこと」だ。レストランのソムリエでも良いし、ワイン売り場の店員さんでも良い。聞いて選ぶのが、美味しいワイン(というか自分が好きなワイン)を選ぶ近道だ。百貨店の地下では毎日のようになんらかのワイン・フェアを開催しているのでありがたく試飲させてもらおう。その際、物乞いのように小さなカップでワインをいただくのではなく、あれこれ質問してみること。お店が激混みなときは迷惑になるかもしれないが、大抵親切にいろいろ教えてくれる。もちろん相手はプロなので驚くほど詳しい。「渋いのが好きなんですけど、このなかではどれですか?」、「飲みやすいのが良いんですけど、おすすめはどれですか?」、「このボトルとあのボトル、どうちがうんですか?」こちらから興味を持って聞くことで、自然と自分の好みやワインのことがわかってくる。
インターネット上では「美味しいワインを選ぶならニュー・ワールド!」とライフハック的に語られている。それは100点に近い正解ではあるのだが、いささか乱暴ではある。フランスやイタリアにも安くて美味しいものはあるわけだし、ワインを選ぶ楽しみ、っていうのもあるわけで。こういう記事を書いていて最後に矛盾するようだけれど、人に聞いて、いろいろ迷いながら飲むのが良いと思います。
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