細野晴臣
ビクターエンタテインメント (2011-04-20)
売り上げランキング: 37
ちょうど今日は激しくなったり、柔らかくになったり、様々に表情を変える雨模様の天気で、空気は生温かく、良い塩梅にひきこもって暮らしたくなる日なのだが、細野晴臣の新譜はその良い塩梅感を一層高めてくれる。『HoSoNoVa』というアルバム・タイトルは「細野晴臣によるボサノヴァ」を連想させるが、『ホソノ場』でもあるらしい。コシミハル、高田漣……といったメンバーによって固められたその空間は、穏かでありながら、日本語によるエキゾチズムを漂わせ、なるほど、これが細野晴臣の日常的な姿なのかもしれないなあ、などと思うのだった。とても良い。この歳の取り方、というか、自分の世界観の深め方は、細野よりも少し年長になるけれどカエターノ・ヴェローゾが今も自分の音楽を若々しく保ち続けるのとはちょっと違う。ただ音楽から「こんな歳の取り方をしたいなぁ」という気持ちが浮ぶという意味では、両者の音楽は私の理想形のひとつなのだった。
ブックレットにはレコーディング時やオフショットが満載で、細野晴臣による楽曲解説などがついてくる。これらもアルバムが持ってる空気感を増長してくれるもので、CDという製品のトータルな魅力を感じさせる(せっかくCDを買っているのだから、こういう作りにしてくれると『あ、CD買って良かったなぁ』と思いますよね)。
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