昨年発売されたスティーヴ・ライヒのアルバム*1に収録されている楽曲《2x5》は、ポストパンクを消化したミニマル・ミュージック風の楽曲で、近年のライヒ作品ではもっともソリッドでクール!と評価できるものだと思います。で、どうやらこの作品の第3楽章のリミックス・コンテストなるものがおこなわれていたらしく、上記のリンクはその優勝者・入賞者の音源がiTunesで発売になったよー、というレーベルからのニュースです。優勝者はDominique Leoneというサンフランシスコの人。次点が、Vakulaというウクライナの人とDavid Minnickというデトロイトの人だそうです。
音源は、こちらのリンクから「View in iTunes」を押すと、iTunesが立ち上がって日本のiTunesのページに接続されます(日本では1曲200円、3曲まとめて買っても600円と特にお得な感じはなし)。早速購入して聴いてみているのですがこれがなかなかカッコ良い! 優勝者のDominique Leoneによるリミックスは、楽曲がもともと持っていたエッジをさらに際立たせ、っつーかこれほとんどバトルズじゃないか!! という出来上がり。2曲目のVakulaによるものは、ベースをうねらせてアフリカンな感じを強調。原曲のクールな盛り上がりを維持しながら、一層ダンサブルになっています。3曲目のDavid Minnickによるものは、原曲を細かく切って、ディレイさせたり、と割と平坦な感じ。1曲目・2曲目はかなりカッコ良いので、それだけ買うのがオススメかも。
冒頭にあげたニュース記事によれば、リミックスという行為を15世紀まで遡って、ジョスカン・デ・プレやその後のハイドンの主題を使用したブラームスになぞらえ「リミックスは、現代において変奏曲の役割を担っているのだ」とライヒは語っているそうです。これはなんというか、ニュークラシック系の人の発言らしいなあ……と思ってしまいますね。クラシックの権威を帯びつつ、ポップなモノへの理解を示すための典型的な戦略、というか(例えば、坂本龍一がバッハを語ると同じか!?)。
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しかしながら、こうして『Reich Remixed』などを聴きなおしてみると「ここまでイジられてビカビカに映える人も珍しいのかもしれない」とも思ってしまう。っつーか、その立ち居地は美味しいだろう、と。
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