世界ビール大全―1700種以上を全試飲★評価posted with amazlet on 07.12.22マイケル・ジャクソン 金坂 留美子 詩ブライス
山海堂 (1996/04)
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先日賞与が出たので、普段はちょっと高いので変えないようなビールを買ってきて飲み比べをしてみました。こういうのって小市民的なちょっとした贅沢だと思うんだけど(ワインやウィスキーじゃなく、ビールってところとか)、一度やってみたかったんですよね。折角なので、ブログでも紹介させていただきます(普段、現代音楽など役に立たない情報ばかりを掲載している当ブログでは異例の、役立ちそうな情報!)。
- キリン《一番搾り》無濾過<生>
私は日本のビールのなかではキリンの《一番搾り》が好きなのですが(っていうか、それしか飲まない)、この《一番搾り》無濾過<生>はそのチルドビールバージョンだそうです。商品名にあるように、普通のビールの製法上で行われる濾過をおこなっていない、酵母などがたっぷり含まれたタイプのビール(銀河高原ビールとかが有名でしょうか)。これは、美味しかった!普通の《一番搾り》のあっさりした飲み口と、銀河高原ビールのちょっとクセのある風味が一緒になったような均整がとれた味わい。キリン党員なので贔屓目なところがありますが、他の日本のビールとは段違いで美味しいと思いました。プロ野球選手に喩えると稲葉、走攻守三拍子揃った感じです。
(グラスがギネスについてくるヤツですが……)ビンから注いだときの見た目はこんな感じ。やっぱり濾過されてないので、透明感はないですが、この濁ったところに旨みがたくさん含まれているのでしょう。基本的に濁ったお酒って美味しいですよね……マッコリとか濁り酒とか……。
- DUUEL(デュベル、ベルギー)
続いてはいきなりベルギービール。アルコール度数8.5%と、結構辛めの数値ですが、味は結構スッとしています(かなり飲みやすい)。でも、ちょっとクセがある感じでなんか果物みたいな味がする。「世界一魔性を秘めたビール」とラベルには書いてありますが、このクセにハマってしまう人もいるのだろうな、と思いました。美味しいビールですが若干、変化球気味なのでこれがど真ん中にくるっていう感じの人は少なそう……悪球打ちの岩鬼みたいな方にはオススメかもしれません。
注いだ感じはこんな感じ。先ほどの《一番搾り》無濾過<生>と比べると、透明度が全然違いますね。炭酸はかなり強め。同じベルギーのシメイを飲んだときも思ったのですが、この国のビールってどれも炭酸が強い気がします。注ぐのが大変難しい……。
泡の勢いを動画に収録してみました。油断してるとこんな感じの不細工なグラスになってしまうので注意です(ちなみに『医龍』の最終回を観ながらビール飲んでたので、その音が入り込んでいます。メインの料理は鶏団子鍋)。
- PILSNER URQUELL(ピルスナーウルケル、チェコ)
次は東欧、チェコのビール。瓶とラベルのデザインが可愛いですが、大変歴史があるビールだそうです(世界中で現在主流となっているピルスナー・ビールの元祖なんだって)。味は、しっかりとした苦味とキリリとした飲み口、そして爽やかな香りがやってくる、というバランスが取れたタイプ……なんだけど、私の貧しい語彙では表現しがたい味でありました。「苦いだけ」、「飲みやすいだけ」といった何かに特化したタイプではなく、とても美味しく、地味というわけでもないのですが、その特徴を言葉にするのが難しい。ヤクルトスワローズの佐藤真一二軍コーチの現役時代を思わせる、そういう味です。
- LOWEN BRAU(レーベンブロイ、ドイツ)
ビールの本場といったらドイツ、ですがこちらはドイツのレーベンブロイのライセンスを取得したアサヒビールが日本国内で生産している「ドイツ・ビール」です。ドイツ・ビールは今年の五月に日比谷で開催されたジャーマンフェストでしこたま飲みましたが、そのとき飲んだものと比べるとやっぱり「日本のビール」という感じがします。ホンモノの、現地で生産されたレーベンブロイを飲んだことがなく、この日本産の「ドイツ・ビール」と他のドイツ・ビールを比較するのはフェアではないかもしれないけれど……。マズくはありませんが、これなら《一番搾り》でも良いかなぁ、という感じ。軽めで飲みやすかったです。
見た目も普通です。期待してたけど、あんまり……という感じは昔ヤクルトにいた外国人投手、アラン・ニューマンのよう……。
- キリンまろやか酵母
ここで一旦、日本のビールに戻ります。こちらはキリンが2002年に発売した、大手ビール会社初の「地ビール」(酵母が生きてるらしい)だそうです。知らない間に、結構いろんなビールが出てるんだなぁ……と思いました。
瓶から注いだ状態の写真を見ていただければわかるかと思いますが、とにかく濁りが濃い!この不透明度、グラスが曇っていたわけではございません(後ろから照明を当てても、背景が全然見えません)。味は、商品名通り「まろやか」。苦味が抑えられており、炭酸も弱いのであっという間に飲めてしまう。クセがあまりないところに、優等生っぽいところがありますが、とても好印象。打席に立った鈴木健みたいな感じです。昨年、キリンがアサヒから日本のビール市場のトップシェアの座を奪取しておりましたが、その背景にはこういった良い商品を開発していく地道な努力があるように思いました。販売戦略云々よりも、何より美味しい商品を作っていく基本姿勢が一番大事なのかもしれません。
- ORVAL(オルヴァル、ベルギー)
ラストは、ベルギー・ビールの最高峰と謳われるオルヴァル。シメイと同じトラピスト会修道院の修道士さんが作ってるビールだそうですが、この辺の歴史については詳しくないのでよくわかりません。「修道士さんがビール作ってる」って「お坊さんが日本酒作ってる」みたいなことだよなぁ……と思うと少し不思議な感じがします。一本630円、お店で飲むともっと高いので、ご利益があると良いなぁ、とか思います。
こうして注いでみて気が付くのは、色が赤みがかっている点。そして、やはり炭酸は強め。製造過程で砂糖を使用しているため、こんな感じになるそうです。麦から作ってるのに、異常にフルーティな香りがするのも不思議でした(書くと嘘っぽいんだけど、ホントになんか果物、しかも柑橘系の匂いが鼻に残るんですよ!)。でも、あんまりこういうの飲みなれてないので、美味しかったけど、頻繁に飲まなくても良いかなぁ、という感じです。「ベルギービールは最高!」とかいうけど、「こういうのが好きな人には最高なんだろうな(私は一番搾りで良いや)」とか思う。つまり、ベルギービール(笑)なわけですが、安くてもそこそこ美味しいビールを毎日飲みたい、っていう感じはまるで安価なヘロインに溺れるジャンキーのようでもあります。
最近、ビールをしこたま飲んだ次の日になると足が痛くて「通風かなぁ……やべぇなぁ……」と危機感を抱いたので、ビールは遠慮しがちだったのですが、久しぶりにたくさん飲んだらビールが美味しくて「痛風?知るかそんなの!」って思いました。今度はまた、ドイツビールが飲みたいです。
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