今年亡くなった大物振付家、モーリス・ベジャールによるピエール・ブーレーズの《ル・マルトー・サン・メートル(主の無い槌)》。バレエについては全く知らないけど「これはどうなんですか……?」と有識者の意見を伺いたくなる映像。ブーレーズにも直接尋ねたいですね。「私の作品をバレエ化してくれるのは嬉しいけど……正直これは……うん……まぁ、お、面白いよね」とか思ってたんじゃなかろうか、って想像する。
この映像からは「なんだかよくわからないよね、ブーレーズって……」という、漠然とした「理解」の象徴みたいなものを感じます――というのは逆に言えば、私が全くベジャールを理解できない、っつーことの証明なんだけれども。なんか動きが無秩序に見えるんだよなぁ……音楽はものすごい厳格に秩序づけられてるのに……。
このベジャール対ブーレーズという布置連関を、把握不可能な音楽を、把握不可能な身体の動きによって把握する――とかなんとか言ったら脱構築とか上手いこと言っちゃえるんだろうけど、それはなんっつーか、ねぇ……貧しくないですか……?ブーレーズの《ル・マルトー……》も「ルネ・シャールの詩の(音楽による)註釈」とか言ってるので良い勝負かもしなんかいけどさぁ……。現代において、さまざまな異なった芸術形態はいがみ合うことしかできないのか!?とか思ってしまいますよ。
メシアン:世の終わりのための四重奏曲&ブーレーズ:マルトー・サン・メートルposted with amazlet on 07.12.14オムニバス(クラシック) ドゥルーベ(ジャンヌ) ガブリロフ(サシュコ) ダインツァー(ハンス) パルム(ジークフリート) ガッゼローニ(セベリーノ) コンタルスキー(アロイス) グーシュ(ジョルジュ・ヴァン) ブーレーズ(ピエール) メシアン
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追記:ここで紹介した映像を見返していて、ふっと思い出したのが、デレク・ベイリー対田中泯のこの映像でした。ベイリー対田中のパフォーマンスにある「呼応」は、ブーレーズ対ベジャールと対照的であると思う。
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