テクノボン posted with amazlet at 11.05.05 石野 卓球 野田 努 JICC出版局 売り上げランキング: 100028 Amazon.co.jp で詳細を見る 石野卓球と野田努による対談形式で編まれたテクノ史。石野卓球の名前を見た瞬間、「あ、ふざけた本ですか」と勘ぐったのだが意外や意外、これが大名著であって驚いた。部分的にはまるでギリシャ哲学の対話篇のごとき深さ。出版年は1993年とかなり古い本ではあるが未だに読む価値を感じる本だった。といっても私はクラブ・ミュージックに対してほとんど門外漢と言っても良い。それだけにテクノについて語られた時に、ゴッド・ファーザー的な存在としてカールハインツ・シュトックハウゼンや、クラフトワークが置かれるのに違和感を感じていた。シュトックハウゼンもクラフトワークも「テクノ」として紹介されて聴いた音楽とまるで違ったものだったから。 本書はこうした疑問にも応えてくれるものだし、また、テクノとテクノ・ポップの距離についても教えてくれる。そもそも、テクノという言葉が広く流通する以前からリアルタイムでこの音楽を聴いてきた2人の語りに魅力がある。テクノ史もやや複雑で、電子音楽の流れを組むものや、パンクやニューウェーヴといったムーヴメントのなかから生まれたもの、あるいはデトロイトのように特殊な社会状況から生まれたものもある。こうした複数の流れの見通しが立つのはリスナーとしてありがたい。 それに今日ではYoutubeという《サブテクスト》がある。『テクノボン』を片手に検索をかけていくと、どんどん世界が広がっていくのが楽しかった。なかでも衝撃的だったのはDAF。リエゾン・ダンジュルースが大好きな私であるから、これがハマるのは当然な気もするけれど、今すぐ中古盤屋とかに駆け込みたくなる衝動に駆られる音。私の耳は、最近の音楽にはまったくハマれない可哀想な耳になってしまったようなので、こうした方面に新たなステップを踏み出して行きたくなる。 あと、カール・クレイグって名前だけは聞いたことあったけど、超カッコ良い~、と思った。学生時代、ニューウェーヴ大好きなヤツは周りにいたけれど、こういうのを聴いている人はいなかった。そういう友人と出会ってたら、今とは随分聴いている音楽が違っただろうなぁ、というほどに、カール・クレイグの音は自分のツ...
アイディアは素晴らしいが、このヘリコプターSQは金がかかりすぎる。数年前にボンで演奏しようとしたときも財政難を理由にキャンセルされた。
返信削除ご本人さまでしょうか……(こんにちは、どうでもいいですが、私も福島出身ですよ!)。彼の財源ってどこだったんでしょうか。これについてける金の出元が気になります。日本じゃまずありえない(少なくとも音楽には金をださなそう)。
返信削除お金の出所、非常にシンプルです。
返信削除作品を委嘱してくれるところ、演奏会を企画してくれるところ、です。
他の作曲家と同じかと思います。
「ヘリコプター弦楽四重奏曲」にお金が掛かりすぎるのは仕方がないですね。
彼のインスピレーションはお金と関係ないところから湧き出てくるので。。。
偽も多いようですが、どうも本人のようです。ここのリンクをなくして久しいですね。検索に引っかかったようです。ボンでかかっていたら是非見たかったですね。公演中に外にも出て行ってヘリもみたかったです。
返信削除今でこそシュトックハウゼン財団がありますが、現在ではワーグナーのような偏った王侯貴族がいないのでお金の出所がないのですね。
放送局でも100万が限度でしょう。100億円はめちゃくちゃです。全7曲だと普通のオペラハウスの年間のプレミエの数ですね。sっ良く円で住むのではないでしょうか?何しろシュトックハウゼンは経済の運営では本当の素人なので100億になるのですね。彼のCDとか楽譜も制作費をそのまま値段に添加するのでめちゃくちゃですね。彼の財源は作曲だけで食っていけるのでこつこつ貯めたのでしょう。