ルイス・ブニュエル『幻影は市電に乗って旅をする』

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ルイス・ブニュエル DVD-BOX 1
紀伊國屋書店 (2006/04/22)
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 1953年製作の作品。「この電車今日で廃車なんで、担当のお前ら明日からクビな」と言われたふたりの労働者が、酔っ払った勢いで「俺らの電車がまだまだ現役だってことを見せてやろうぜ!」とばかりに勝手に電車を持ち出してしまったところからはじまる雪ダルマ式問題肥大型コメディ。すげー面白かったです。主人公たちが勝手に走らせてる電車には、いろんな人たちが勝手に乗り込んできちゃうんだけど、そこから起こるイベントの数々が「人情モノ」あり「政治的な風刺」ありと多彩。多彩であるがゆえに「ええ……すげぇ脈絡ないなぁ」という印象を抱かせるところがあるけど、むしろそこが良い。突然「アイツ、みなしごなんだぜー!!」といじめられる子どもとか出てくんだよな……(その後、いじめられっこがいじめられなくなる、みたいな問題解決は特になし)。このおおらかさ(?)がとても良い。電車はレールの上しか走れないので密室劇みたいな雰囲気もあるんだけど、出来事がどんどん通過してっちゃう感じとか結構特殊な感じもする(出来事が『伏線』として物語のレールの上に残らない、っつーか)。タイトルがえらいカッコ良いけど(アート臭いけど)、中身はめちゃくちゃ大衆路線っぽいバランスの取り方とかもツボ。


 映画の話からは離れるけど、このDVDボックスには四方田犬彦とかカルロス・フエンテスとかが書いたブニュエルに関する批評が載ってるブックレットがついてんだけど、こういうのって皆さんどうするんでしょうか。ちゃんと読むの……?





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