フランソワ・ラブレー『第三の書』(ガルガンチュアとパンタグリュエル)

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ガルガンチュアとパンタグリュエル 3 (3) (ちくま文庫 ら 5-3)
フランソワ・ラブレー
筑摩書房
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 ラブレーの大作『ガルガンチュアとパンタグリュエル』の第三巻『第三の書』を読みました。オシッコとオナラで戦争に勝ったりする勇ましい冒険譚は『パンタグリュエル』までで終わりで、この巻からはパンタグリュエルが“のどカラカラ人”の国を征服して、ユートピアを治めるところから始まる。のだけれども、いつものように話は脱線、脱線の連続で、ユートピアの素晴らしい暮らしはほとんど描かれることなく、500ページを超える本の大半が、パニュルジュ(パンタグリュエルの部下)は結婚すべきか/しないべきか、という話をめぐって浪費されます。素晴らしい。もう、ホントにどうでも良い話ばかり。


 パンタグリュエルはパニュルジュに「結婚したら、寝取られ亭主になってひどい目に会うぞ」と言い、パニュルジュはそれを受け入れない。終わりのないこの論争をめぐって、数十種類の占いがおこなわれ、また裁判官だの魔術師だの哲学者だのが召還されます――でも、結局、論争に終わりはない。このミニマルな展開のなかに、ギリシャ哲学や神学的問題をめぐってのラブレーの主張が隠されている……と読める人は、すごいなぁ、と思ってしまうけれど、個人的にはそんなの分からなくても、なんか固有名詞が羅列されて「小説っぽい雰囲気が出ている」という不思議な感じも楽しく読めました。ところどころに、当時の社会通念などが現れるところも良いです。16世紀のフランスと21世紀の日本の遠さが面白い。


 読んでいるうちにだんだんとラブレー周辺の人文主義者や、ラブレーも影響を与えていると言われる「百科全書派」あたりに興味が出てきました。ちょうど既刊はこの巻までなので、次の『第四の書』が出るまでに、そういった本を読んでみようかな、と思います。




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