村上 春樹
文藝春秋 (2012-09-04)
売り上げランキング: 499
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本書に収録されたインタビューも、インタビュアーの多くが外国のメディア関係者、あるいは外国で村上春樹の本を訳している人物になっています。そして、日本の外から村上春樹を訊ねてきた人物たちが聞く話のほうが面白く読みました。日本人によるインタビューはどうしても内輪感が出てしまっている、というか、文壇感があるというか、というか、わかっていますよ感、というか、妙な居心地の悪さを感じます。その極端なものが古川日出男が聞き手となっているもので、これには居心地の悪さを超えて「うん、うん、わかるよ、わかるよ」と解答を常に受け入れてしまうことの気持ち悪さを感じてしまいます。
「個人的な」小説を、ほとんどひとりで書き続けている孤独感(しんどさ)とその居心地の良さのアンビヴァレントな感覚が、複数のインタビューのなかで繰り返される言葉から伝わってきます。個人的には、そうした地点に立てるうらやましさもありました(チーム・プレイや組織のルールを守ることが苦手なので)。読んでて、自分にもそういう風にモノを書いたり、研究したりする機会が訪れないか、って夢見てしまう。
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