村上春樹 『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011』

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夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011 (文春文庫)
村上 春樹
文藝春秋 (2012-09-04)
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村上春樹が『アンダーグラウンド』から『1Q84』を出版するまでに受けたインタビュー集(文庫版へのボーナス・トラックでは2011年の地震以降のインタビューも含む)を読みました。創作のプロセスや、日々の生活、小説家になるまでの経緯など、長いあいだこの作家のファンを続けてきた人であれば、どこかで知っていた話、繰り返し聞く話になる本かもしれません。でも、繰り返し語られることで高まる確証のようなもの、信頼感みたいなものがあるとも思われ、一言で言えば、こうして自作や自分についての発言がまとまって読める形になっているのはありがたいことだな、と感じました。もちろん、「あの作品」がどのように書かれたか、という話や、国内の賞は受けないのに外国の賞は受ける理由など、この本で初めて読んだものも多かったですけれど。

本書に収録されたインタビューも、インタビュアーの多くが外国のメディア関係者、あるいは外国で村上春樹の本を訳している人物になっています。そして、日本の外から村上春樹を訊ねてきた人物たちが聞く話のほうが面白く読みました。日本人によるインタビューはどうしても内輪感が出てしまっている、というか、文壇感があるというか、というか、わかっていますよ感、というか、妙な居心地の悪さを感じます。その極端なものが古川日出男が聞き手となっているもので、これには居心地の悪さを超えて「うん、うん、わかるよ、わかるよ」と解答を常に受け入れてしまうことの気持ち悪さを感じてしまいます。

「個人的な」小説を、ほとんどひとりで書き続けている孤独感(しんどさ)とその居心地の良さのアンビヴァレントな感覚が、複数のインタビューのなかで繰り返される言葉から伝わってきます。個人的には、そうした地点に立てるうらやましさもありました(チーム・プレイや組織のルールを守ることが苦手なので)。読んでて、自分にもそういう風にモノを書いたり、研究したりする機会が訪れないか、って夢見てしまう。

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