宮腰忠 『高校数学+α:基礎と論理の物語』

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高校数学+α:基礎と論理の物語
宮腰 忠
共立出版
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わたしはガチガチの文系野郎であって、高校時代もあまりに数学が不得意だったので一年生の段階で早々と「あ、私立文系にしよう……」と匙を勢い良く投げ(同時に、他の理系科目も不要なものとして処理してしまった)、気がついたら黒板に知らない記号がたくさん並んでいた、という体たらくで高校を卒業し、その後、大学時代も統計学(必修)などで数学が必要になった場合も「先生と仲良くなる(そして、分からないなりに授業には真面目に出る)」などの処世術で乗り切って現在に至っているのだが、半年ほど前に天啓がおとずれたかのように、数学、やってみようかしら、といきなり思いたち、そこからコツコツとノートをとったりしながら上記のテキストを読んでいたのだった。

この『高校数学+α:基礎と論理の物語』はかなり評価が高いテキストではあるのだが、いろいろとわたしは勘違いをしていた。この本は「高校数学の基礎」を物語的に教えてくれる本、ではなく「高校数学で出てくる数学の理論を、その成り立ちから解説する」という本だったのである。演習問題なしに基礎が身に付いたりするマジカルな本、じゃなかったのか……と気づいたのは、中盤に差しかかってからで、その後もなんとなく勿体ないから「う、う、難しいよ……わかんないよ……」としょんぼりしながら読みました。かなり抽象度も高いし、公理の証明の部分とか、読んでもぽかーん、という感じ。

とはいえ、学ぶところがゼロだったわけではなくて。このテキストの解説は「そもそも数ってなんだ!?」という根本的なところから話が始まったりするので、普段生活しているうえでの当たり前となってるモノが覆されるような、まるで社会学的な体験を与えてくれる内容だったりして、理解できる部分だけ拾っていってもソコソコ面白く読める。三平方の定理の頻出具合に、うお、これ考えた人、スゴくない!? とバカみたいに感心したし、なにより、高校時代みたいに定期テストのために数学をやっているわけではない、という気楽さが良かった。赤点を取ってはいけない、というプレッシャーから解放されて望む数学はなかなか心地良いものなのね(難しかったけども)。

あと、抽象的な議論もなんとか知っているモノに結びつけて考えていくと、なんとなーく使いどころがわかったりもし、そういう部分では「年を取って経験を積んでからのほうが、勉強が進む部分もあるのでは」と思ったりした。頭のいい人って抽象的なモノを抽象的なままで理解できる人であって、そこは才能の部分が大きそう……と勉強しながら考えさせられたけれど、なにかのとっかかり(経験で得られた具体的なサムシング)さえあれば、別なやり方で考えたりできるのでは、と。「年を取るとなかなか頭に入ってこなくて……」と記憶力が衰えることがあるのかもしれないけれど、ホントにそういう経験によって学習効率をあげるようなことがあるなら、まだまだ絶望するには早い……。

とんでもなく役に立つ数学
西成活裕
朝日出版社
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東大の西成先生の数学についての本もちょっと読み返しながら、数学の使いどころについても思いを馳せた。今回はちょっとテキスト選択に失敗したかもしれないけれど(結局、終盤はザックリと流し読んだだけになってしまったし……)、めげずに数学の勉強は続けたいと思います。なんだろう、できなかったことができるようになるのって単純に楽しい。

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