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MacBook Proに赤ワインこぼしちゃったよ、泣きたいです、の記録

昨年の7月に購入してからさまざまに使いまくっていたMacBook Proに、赤ワインをBUKKAKEてしまったのが、9月6日のできごと。そのとき「まず布巾をもってこなくては……」ともたもたしていたら画面とボディをつないでるヒンジの部分からワインが染み込んでしまい、ディスプレイの接続部分を損傷させてしまったらしく「ドゥゥーン」とカッコ良い村上ショージのような起動音とともに立ち上がりはするものの、ディスプレイには何も表示されない、という状態に陥りました。飲酒 with インターネットの恐怖!  みなさんも気をつけて! 一瞬先は闇です! しかも、その夜から私の夏休みがはじまっており、のっけから最悪な幕開けだったわけで……。

MacBook Pro不在の机
MacBook Proが不在になった机(きたない)
とはいえ夏休みだったからこそ、次の日即座にアップル・ストアへと持ち込んで修理の見積もりとかを出してもらえる、というタイミングではあったのですが。アップル・ストアのジーニアス・バー(修理窓口)は予約制ですが、iPhoneからスムーズに予約がとれました(平日だったせいか、当日でも予約可能だった)。ただし、予約してても混雑しているとちょっと待たされます。でも、アップル・ストアの店員さんはみんな意識が高そうなので、不快な対応はありません。時間より少し遅れて対応をはじめてくれた黒田勇樹みたいなスタッフさんは「実は飲み物をこぼしてしまいまして(……ペラペラとオタクっぽく状況と、損傷してそうな部品について伝える)」と言ってる間、つねにまるで悲劇でも聞くかのような悲痛な面持ちでおり、親身に相談乗ってます感がものすごかった。

ワインをこぼした後に、自分でも裏蓋を外して内部の基盤の様子をチェックしてはいたのですが、ここでも同じことをされて「お客様の予想通り、正常に起動はしているようなのですが、ディスプレイの接続部分が損傷を受けてるみたいで〜」とのこと。そうか〜、と思ってたらスタッフの方から出た次の言葉が胸に突き刺さりました。

「この部分、一番高いパーツでして、修理すると11万円になるんですよ……」

思わず「11万円っすか……」と絶句。アップルの規定で修理代は一律5万円、みたいなプランもあるのだけれど、この部分はもうなんともならん、11万円です、ということだそう。うう……中古で別なマシン買えるじゃないか、どうする……と悩んでいるあいだ、スタッフの方も一緒に悩み顔してくれました。そこで出された修理の他の代替案が以下の2つ。
  1. 別なMacを接続して、リモート経由で壊れたMacBook Proを操作する
  2. 別なディスプレイを買って、ディスプレイをミラーリングして使う
1.の案は別なMac持ってなかったし、なんかあんまり状況が解決してないよ、と思われたので、今回は2.を選択しました。このときはその場で、ディスプレイだしてくれて、ちゃんと動作するかどうか試させてくれたのがありがたかったです。「Thunderboltディスプレイとか、キレイですけど、それじゃなくても使えるので〜、そのへんはお客様の好み次第ですね〜」とアドバイスもしてくれて、おっしゃ〜、アップル製品売ってやるで〜、と商魂を見せつけてきたりもしなかったので、非常に好感が持てました。

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その後、店員さんと相談して、その場でHDMIとDVIのコネクターを購入。

その後、別な電気屋でディスプレイを眺めて(欲しいものの在庫がなかったので)Amazonでこちらのディスプレイを購入。ワイン一杯こぼしただけで約2万円の出費……と地味に泣けますが、画面を15インチから23インチに大きくしたんだ! と前向きに考えることにします。無理だけど。

Untitled
ディスプレイ設置の図
画面のキレイさとかはあんまり期待してませんでしたが、設置してみたら意外にキレイでびっくり。現在はDVIで接続していますが、コネクターに問題があるのか緑色のノイズが常時ちらついているが問題ですが(コネクターの角度とか変えるとノイズの量が変化する)HDMIに変えてみてどうなるか試してみたいところ。ただ、私は近視なので眼鏡をしてなければ、そのノイズも見えず、気にならないレベルです。

かつてヴァルター・ベンヤミンは「娼婦と本はベッドに連れ込むことができる」と言いましたが、MacBook Proもベッドに連れ込むことができるアイテムなわけで、今回の処置によってベッドで寝ながらYoutubeを観るなどができなくなってしまいましたが、ひとまずブログ更新とかはできるようになりました。ご心配をおかけしました(TwitterやFacebookでいろいろ教えてくださった方、ありがとうございました)。

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