大友良英ニュー・ジャズ・クインテット
ディスク・ユニオン (2002-07-25)
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大友良英ニュー・ジャズ・クインテットの2002年、ちょうど10年前のライヴ盤を聴く。音響とジャズによるミクスチュアによる「新しいジャズ」という大友良英のコンセプトは10年の間に、クインテットからオーケストラに編成が大きくなることで色彩感を拡大させ、2010年にトリオになってからハードバップ的なところへと回帰し、その回帰したところのマイルストーンがこの日のライヴだったのでは、とか思ったりした。音響によるハードバップであれば『Live in Lisbon』もスゴい演奏だと思ったけれど(こちらは2004年の音源。菊地成孔脱退後、マッツ・グスタフソンがテナーとバリトンで参加)、この時点でもはやスゴい完成を見せていたんだな、という。
もちろん、現在の回帰後の姿、ONJT+の演奏は単に10年前の焼き直しではないし、それは現在発売されている2枚のライヴ盤を聴いてもよくわかる。人数は同じ5人での演奏で、どちらも音色の多彩さはオーケストラと比べると多様な感じではない。けれども、そのハードバップ感のあり方は、10年前がメンバー同士のバトル感が色濃いような気がするのに対して、現在ではもっと協和的、というか、リード楽器がいないこともあるのだろうけれど、とてもマイルドに聴こえる。回帰しているけれど、オーケストラでの成果はものすごく良い形で還元されているように思われ、改めてONJT+からONJQに戻ると10年前の音楽がものすごくクリアに見えてきてもくるのだから、不思議だ。
Otomo New Jazz Quintet Yoshihide
Clean Feed (2011-04-05)
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もちろん、現在の回帰後の姿、ONJT+の演奏は単に10年前の焼き直しではないし、それは現在発売されている2枚のライヴ盤を聴いてもよくわかる。人数は同じ5人での演奏で、どちらも音色の多彩さはオーケストラと比べると多様な感じではない。けれども、そのハードバップ感のあり方は、10年前がメンバー同士のバトル感が色濃いような気がするのに対して、現在ではもっと協和的、というか、リード楽器がいないこともあるのだろうけれど、とてもマイルドに聴こえる。回帰しているけれど、オーケストラでの成果はものすごく良い形で還元されているように思われ、改めてONJT+からONJQに戻ると10年前の音楽がものすごくクリアに見えてきてもくるのだから、不思議だ。
Lonely Woman
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ONJT +
doubtmusic (2010-11-25)
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こうしてまるで過去と現在を循環するように大友良英の音楽を聴きながら感じ入ってしまうのは、10年間に広がったこの音楽家の領域の広がりと、日本の音楽環境の変化であったりして。いや、自分も歳をとってはいるんだけれど……。
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