超-歴史的ガーリー・ムービー

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マリー・アントワネット
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ユニバーサルクラシック (2006/12/13)
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 ソフィア・コッポラの最新作『マリー・アントワネット』を観ました(@渋谷)。会場は8割女の子でほぼ満席で、アウェー感が満載。周囲の評価はあまり芳しくなかったんだけれども、個人的には大満足の映画でした。もし今後、10代の多感な時期を過ごす「文系女子」に出会うことがあれば鼻息荒くレコメンドしたくなるような「青春映画」です。これは「マリー・アントワネット」という「10代の女の子」の成長を描いた最強のガーリー・ムービーと言えるのではないでしょうか。


 序盤のマリー・アントワネットは完璧に白痴感まる出しの「少女」として描かれているのが良かったです。オーストリアのハプスブルク家からフランスのブルボン家へと嫁いできたマリーには、ヴェルサイユにおける慣習がとても滑稽なもの、馬鹿馬鹿しいものとして感じられているという視点もいかにも青春映画っぽくて。このマリーの視線には何か現代における「少女」が社会へと足を踏み入れた際に感じる「冷めた視線」と同質のものを感じます(なんで『オトナってあんな風に一生懸命に働いているんだろう』みたいな)。


 「バッカじゃないの!」と思いつつ、しかし少女は社会へと順応していかなくてはならないわけで、それが出産とか革命という物語上のイベントを通過することによって(ある種、儀礼としてそういったイベントがあるわけですが)確実に「馬鹿馬鹿しい社会」を受容していくマリー・アントワネットの姿が素晴らしい、と思いました。悲しいことにマリーが自分と社会との折衝点を見つけた頃には、死ぬギリギリのところまで来てるんですが。あと、この映画のなかで描かれた華やかな放蕩などは、青春時代における社会へのささやかな反抗として捉えることができるのではないでしょうか。


 それからルイ16世のキャラクタ設定が最高に良くて。彼はマリー・アントワネットのダンナとして序盤から重要な役回りにいるわけだけれども、マリーをはるかに上回る白痴感を醸しだしていて圧倒されました。2人でベッドに入って、一人で満足気に「錠前の歴史」を語ってる姿などは、むせ返るほどのDT濃度で感動すら抱くほどです。この映画の中で、ルイ16世って最後まで「男の子ってバカだよねー」という女の子側からの感想をキャラクタ化した存在として描かれてると思う(そこが良いんだけど)。


 時代考証とかどうでも良いんだ。『マリー・アントワネット』風の「青春映画」なので。





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