John Carpenter
Sacred Bones (2015-02-03)
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ジョン・カーペンターの映画は『ハロウィン』しか観ていないのだが、監督も脚本も音楽もやっている「なんでも自分でやっちゃう」型の監督として、クリント・イーストウッドやアレハンドロ・ホドロフスキーと同じようにわたしの脳に名前が刻まれているのだった。その『ハロウィン』のテーマですけれども、これ、ホラー映画音楽の名曲として評価されているそうですが、わたしはマイク・オールドフィールドをパクッたGoblinのさらにパクリみたいなものだと思っていて、それほど好んでいるわけではない。
とはいえ、これも「ホラー映画にミニマルっぽい音楽が似合う」という道を作った作品のひとつのような気もして、大変に重要な仕事だったのかもしれない。ミニマル以外であればトーンクラスター……ってそれはまんま『エクソシスト』の偉大さを物語っている感じがあるのだけれど。
で、そのジョン・カーペンターが初のソロ・アルバムを発表したのである。前述の通り、特別なファンではないのだが、たまたま聴いたアルバム収録曲の「Night」が最高すぎて思わず購入してしまった。
この「今、何世紀だと思っているんだよ」というぶっといシンセサイザーの音。間違いないだろう、これは、と一瞬で確信したが、アルバム全体を聴いても名盤だと思う。全編こんな感じで、シンセサイザーとギターをメインにしたミニマル的な楽曲が収録されていて、(ライナーノーツにもある通り)マイク・オールドフィールドやGoblinの音楽を強く思い出させるのだけれども、全然それだけではない。まったく踊れないイタロ・ディスコと言っても良い気がするし、テンションの低すぎるTangerine Dreamみたいな感じもある。
とにかく内向きな、鬱っぽさと、これからなにかが起こりそうなイキフンがギンギンに詰め込まれているところが良い。音楽の用途としては、部屋でひとりで聴く、という以外には考えられないのだが、定期的にこういうものを聴いて、内省的にならないとダメだ、と思う。
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