水木先生の神秘主義入門

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神秘家列伝〈其ノ壱〉
水木 しげる
角川書店 (2004/07)
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 水木しげるの『神秘家列伝』。煙草を買いに行ったコンビニで売っていた。一昨日から実家のほうへ帰ってきているのだが、田舎のコンビニってときどきわけわかんないものが置いてあって面白い。今日行ったのは普通のセブンイレブンなんだけど、他のコンビニで『封神演義』が全巻揃っているのとかを目撃したことがある。





 何年か前にこの本の「スウェーデンボルグ」の章だけ立ち読みしたことがあって、それが記憶に強く残っていたのだが読み直したらやっぱり面白かった。スウェーデンボルグという人は17世紀末から18世紀前半を生きたスウェーデンの神秘家で、生きている間スウェーデン国内では「異端」扱いされていた人。なんでそんなになっちゃったか、というとこの人、自由に「霊界」に行くことができたらしいのである。で、その霊界見物記を何冊もの本にしている…というちょっと危ないかな…という人なのだ。それだけだと「早すぎた丹波哲郎」で終わってしまうのだが、実は実学方面でも優秀な人で数々の発明を残していたりするのだとか。哲学・文学の領域でもかなりの有名人で、日本文学でも漱石や川端康成の作品にその名前を見ることができる。





 スウェーデンボルグさんのエピソードで一番面白いのは「夕飯を食べていたら神が現れて『食べ過ぎるな!』と叱られるところ」だろうか。せっかく神様が出てきたのに「食べ過ぎるな!」って…。もっと大事なことがあるんじゃないか…とかツッコミたくなる。なんかこの辺は、とても「水木しげる漫画らしい」といえばらしい。水木先生の漫画って時々ものすごく不条理なギャグが挿入されていて、戸惑いを隠せないときがあるんだよな。





 一般的に「神秘主義」というものがどういう風に認知されているのか、私にはよくわからないけれど、ここで描かれた「神秘家」の世界観はどれも「身体性」から始まっているところで統一されていていることに気がついた。そういえば、スーフィズムも舞踏から法悦へと至る宗派なわけで身体性は切り離せないところにあるし、禅もヨーガもそうだろう。ちょっと胡散臭いんだけれど、そういうものってでも「健康的」な感じがする。大雑把に言って、真理を観念で捉えようとするよりも、身体で捉える方が…という話なんだけれど。





 最近、音楽に関しても身体性を伴ったものが好ましいと思っている(演奏面でも聴取面でも)。といっても私は踊りにクラヴへ繰り出したりとか一切しないんだけど。理想を言えば、ブラームスでガン踊りしたいんだ。椅子に縛られてたら、脊髄がおかしくなりそうなぐらいブラームスのリズムってカッコいいぞ。





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