こういう本って結構好き

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メロスが見た星―名作に描かれた夜空をさぐる
えび名博 えびなみつる
祥伝社 (2005/10)



 先日、祥伝社へ行く機会があり、そのときいただいた本。『新書ブーム』はいつの間にかどこかに消えてしまった感じがあるし「くだらねー本ばっかり出てるなぁ」と思ってしまうけれど、これは良い本です。好感を持ちました。執筆しているのは現役の高校の先生。担当教科は国語なのだけれど天文学ファンで「天文部の顧問」も務めているのだとか。変り種の先生が生徒に教えるような優しい文体で、古典から現代にいたるまでの文学作品のなかに登場する天体についてさぐる、という内容。こういうジャンルとジャンルをくっつけてみるプログレ的な試みって好きです。ちょっとした先生のボヤキみたいなもの含まれていて笑ってしまいます(『稲垣足穂、おもしろいのに教科書にはのらないんだよなぁ』みたいに)。





 小説家だけではなく詩人も多く取り上げられており、なかでも萩原朔太郎の章は面白かったです。萩原朔太郎の詩は、高校時代に家の押入れのなかに放り込んであったのを見つけて以来のファンだったのですが、詩人自身についてはあまり知らなかったので。お金持ちの家に生まれて、大学を4度も入退学繰り返し、結局父親の金で生活していた…ってすげーダメ人間だったんですね。写真の顔が真面目そうだったので騙されていたよ…。ちなみに近所からすごい白眼視されていたらしい(『萩原さんちの息子さん、いくつになっても仕事もしないでブラブラしてんのよ』『まぁ…大変ねぇ』と)。


 

 ここで引用されていた「猫」という詩は萩原朔太郎作品で私がもっとも好きなもの*1。短い詩ですが、不可解で脱臼させられる感じの言葉選びが非常にセクシー。この詩が収録されているのは『月に吼える』という詩集。月といえば「狂気」の象徴なわけで、同じく月をタイトルに含むシェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》を思い起こしてしまいます。雰囲気似てるよ。



Schoenberg: Pierrot lunaire - Lied der Waldtaube
Antony Pay Arnold Schoenberg Pierre Boulez Ensemble InterContemporain [members of] Michel Debost BBC Symphony Orchestra Daniel Barenboim Janis Martin Jessye Norman Pinchas Zukerman
Sony (1993/07/13)
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*1http://homepage3.nifty.com/sakutarou/で読めるけれど、横書きだとすごく違和感あるなぁ





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