我、「ファッション左翼」を標榜す

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バカにつける薬
バカにつける薬
posted with amazlet on 06.08.14
呉智英
双葉社 (1996/07)
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 素なのか演技なのかよく分からないが奇天烈で多弁な「歌舞伎者(かぶきもの)」が好きである。向井秀徳だとか、菊地成孔だとかが好きなのは彼らが存分に「カブいちゃってる」人物だからだ。あとはプロレスラーの西村修とか。彼らの態度を見ていると、その言動なんかは私にはとても「ガチで言ってる」ようには思えない。彼らに対して批判してもスルスルと暖簾に腕押し状態で通り過ぎてしまうのではなかろーか、なんていう立ち位置の気楽さもまた素敵だ。





 呉智英を批評家として扱っていいのかどうかよくわからないのだが、現在の日本の批評空間において「最強の歌舞伎者」と言えるのではないだろうか。例えば、彼の最初の単著である『封建主義者かく語りき(原題『封建主義、その論理と情熱』)』で熱烈に述べる「封建主義の素晴らしさ(と戦後民主主義の悪)」など、最高にバカらしくて良い。出版された当初、結構物議を醸し出したらしいけれども、こんなものに真剣に怒る方がアホウなんじゃなかろーか、と思う。呉智英の厄介なところはそういった「バカあぶり出し」が大変に上手いところである。上に挙げたの『バカにつける薬』でも様々な人物に「あいつはどうしようもないバカだ」という攻撃的な言葉を投げつけて、自分から「論争」を焚きつけ向かう敵をさらにバカにしていく、という最強ヒールっぷりを発揮していて大変面白かった。





 話は変わって、私は日頃「ファッション左翼」なるものを標榜している。「左翼用語ってカッコ良いよなぁ。インチキ臭いし、カブいてるし」という思いつきから、率先して「主体性が…」とか「幻想としての国家の…」などと言っているだけなのだが(思想的には全くのノンポリ)、呉智英の文体とか封建主義に対する態度などは非常に勉強になるところである。





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