ダメだった……

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見えない都市
見えない都市
posted with amazlet on 06.08.17
イタロ・カルヴィーノ Italo Calvino 米川 良夫
河出書房新社 (2003/07)
売り上げランキング: 46,042



 各所で「カルヴィーノ、面白いよ」という話を聞いていたから古本屋で見つけて買ってみるものの「あー、俺はこれ、ダメだわー」という残念な結果に終わる。小説は、マルコ・ポーロがフビライ汗に「こんな街があったんですよ」という報告をする、というもの。しかし、報告する都市はマルコ・ポーロが空想で物語るものであって、現実には存在しない場所であって、彼の語りの中にしか浮かび上がることのないタイトル通り「見えない都市」なのだ……というのは分かり易いのだけれど、全然楽しめなかった。とくにその空想都市で出来事が起こるわけでもなく、ただ様々な描写が行われていく感じが「むぅ…退屈だなぁ……」と。不思議な情景を浮かび上がらせる文章はとても請っているのだけれど、動きがないとダメな感じがする。なんかものすごくアタックやトーンに気を使うピアニストが弾くスクリャービン的な美しい和音「だけ」を延々と聴かされているような感覚に近い。それはとても美しいし、確かにそれを「音楽作品」と呼ぶことはできる、けれども率先して聴きたいとは思わない。





 まぁ「あー、俺こういうタイプの小説はダメなのかぁ」と気付くことができたので良かった。



夢の木の下で
夢の木の下で
posted with amazlet on 06.08.17
諸星 大二郎
マガジンハウス (1998/07)
売り上げランキング: 15,064



 『見えない都市』はものすごく諸星大二郎の『夢の木の下で』というマンガと似ているな、などと思う(『宇宙を旅する旅行者が、様々な星の人々、風景を描写する』というマンガ。こっちの方は好き。『夢の木の下で』の場合、やはりマンガだから「物語的な動き」があるし、訪れた場所での語り手の情緒がエッセイ的に語られているから好きなのかもしれない。空想的なエッセイとして読む、みたいに。あとボルヘス的なグロテスクさ/悪夢っぽさがあるし。


 





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