リアルにゴミ

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パルプ
パルプ
posted with amazlet on 06.08.16
チャールズ・ブコウスキー Charles Bukowski 柴田元幸
新潮社 (2000/03)
売り上げランキング: 31,778



 ブコウスキー最後の長篇小説。胸がスキッとするほどゴミ感に溢れた小説である。競馬狂かつ飲んだくれの55歳。ニック・ビーレン、自称スーパー探偵(腹はポッコリ出ている)のお話なのだけれど、基本的に主人公は飲むか、競馬で金をスルか、オフィスでダラダラしているだけで、何かするたびに上手く行かないことばかり。けれども、ご都合主義的に自体はコロコロと好転(?)し、ビーレンの元に来る依頼は解決されていく……。この何もしない加減が非常に頭使わないで「楽しい気持ち」に持っていてくれる。そして、吐き捨てられる自分も含んだ世界すべてに対する呪詛的な言葉が素晴らしくカッコ良い。小説で最初に舞い込む依頼は「死んだはずのセリーヌをハリウッドで見かけた。本物かどうか調べてくれ!」というものなんだけれど、ビーレンのぼやきはセリーヌも匹敵するんじゃないだろうか。宇宙人が登場するようなとんでもない舞台のために、シリアスな言葉が全然シリアスに受け取ることはできないんだけど。





 晩年のブコウスキーの姿勢は見習わなくてはならないところかも。この小説も60歳過ぎてからパソコン教室などに通って覚えたマッキントッシュを使い、バリバリとキータイプして書きまくったのだろう。ジジイになっても新しいことを覚えるパワーが残ってるのがすげぇな、って感じだ。型破りなジジイ。





 ちなみにタイトルの「パルプ」はアメリカで消費されていた三文小説の類のこと。タランティーノの『パルプ・フィクション』と同じ「ゴミ三文小説へのトリビュート」が込められてるんだろうか。タイトルに相応しく、池袋の丸の内線ホームにある古本コーナーで投げ売られているのを見つけて買いました。





1 件のコメント :

  1. ビーレンじゃなくてビレーンだったりする
    半分ほど読んで気付いたよお

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