Henry Cow
Rer (2005-06-21)
売り上げランキング: 131207
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天狗でのブチあがりマッシヴな邂逅、っつーか、tdさんとはインターネットでの交流がメインであって、そういえば、一緒に座ってガッツリ飲む機会は実のところ初めてだったりしたのだけれども、炎上案件や陰謀論ばかりが蠢くように思えてならない昨今のインターネット世界において、こうして濃い感じで交流が持てるのは希有なことである、と思う。Twitterとか、ね、あれはあれで気軽な感じで良いのだけれども。音楽レビューを書いているブログがどんどん失われており、どんどんオールドタイプの側に追いやられているのかもしれないが、ガッツリと音楽について書き、そんでまた酒飲みながらそれについて話す、っていうのも、また音楽の愉しみで、そういう愉しみを共有できる人とのあいだにはマジで絆を感じちゃうわけですね。
さて、邂逅からの回顧モードになっており、Henry Cowの『Unrest』を聴いていた。今やインプロヴァイザーとしてのほうが知名度があるのかな? フレッド・フリスとクリス・カトラーは。いろんな意味でカンタベリー系の最左翼バンドが74年に出した大傑作アルバム。これを私は高校3年生のころに福島から東京に遊びにいって、新宿のディスク・ユニオン、プログレ館店内で流れているのを聴き「ぬぁんだ、これはぁぁあ!!」と衝撃を受けて購入したのだった(同時に、MAGMAの30周年ライヴ盤ボックスとかも買ってたハズ)。ある意味で、その後の人生を切り替えるような出会いであったわけだが、久しぶりに聴き直して、そのとき衝撃を受けた自分のセンスに賛辞を送りたい。
その後のHenry CowはSlapp Happyと合体したりして、3枚目からはそんなに好きじゃなく、このアルバムが私のなかでの最高傑作であったりする。とにかくアンサンブルの緊迫感がスゴいでしょう。コンポジションとインプロヴィゼーションのあいだの絶妙なバランスが、なんとも気持ち悪いですし、だが、そこが良い……。リンゼイ・クーパーのダークなリード楽器の音色といい、クリス・カトラーの異様に乾いた鋭いドラムといい、フレッド・フリスはMassacreのときのようなギターを弾いてもいるし、なんか最高だな、好きなもの全部入りじゃんか、もう辛抱たまらなくなってしまう。ちょっとこの雰囲気は、他になく、いわゆる「チェンバー・ロック」みたいなカテゴライズをされていても、他のUnivers Zeroとかとは全然違う、特別なサムシングがある。こういうものがまた廃盤になってるのかな? 中古でしか手に入れられないとは、なんとも嘆かわしい話。
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