アーネスト・ヘミングウェイ『海流のなかの島々』(下)

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海流のなかの島々 (下巻)
ヘミングウェイ 沼沢 洽治
新潮社 (2000/00)
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 上巻で描かれていた幸福の後に、主人公であるトマス・ハドソンの元に訪れる喪失はあまりにも悲しい。そのハドソンの幸福は、ページを捲るにつれて奪われていく。このあたたりの進行を読んでいると「ヘミングウェイという人は、《ロスト・ジェネレーション》の作家だったのだな」と思う。その失われ方は、フィッツジェラルドよりシンプルだが深刻だ。思えば、『海流のなかの島々』だけでなく、『武器よさらば』でも『日はまた昇る』でも『老人と海』でもヘミグウェイは、同じテーマで物語をつづっていたのかもしれない――そう考えると、私はこの作家について大きな勘違いをしてきたように思えてくる。ヘミングウェイは決して「マッチョな作家」ではなかったのだろう。むしろ、その贅肉のない、研ぎ澄まされた筋肉質な文体の裏側にある、鍛えることのできないナイーヴさこそがヘミングウェイの描く小説で共感を呼び起こす部分である。


 ええと、今泥酔中なので、適当な感想しか書けないんだけど、すごく魅力的なでありながら後半はかなり荒削り。たぶん、ちゃんと完成までもっていけたならこれは全三巻ぐらいのヴォリュームにならざるをえなかったろう、という重さである。この状態で死後に出版されたのは、残念な感じもする。





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