The Rutlesの不思議さ

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 id:mochilonくんがラトルズ――気合の入ったビートルズ・フリークであれば誰でも知っているであろう、モンティパイソン生まれのビートルズのパロディ・バンド――に触れていたので、私も取り上げることにする。ビートルズが好きすぎると、奥田民生(パフィーも含めて)とかXTCとかジェリーフィッシュとかジェフ・リン……etcがやっている「ビートルズのパロディの方がなんか好きになってくる」……というベンヤミンやボードリヤールもビックリな現象が起こりがちだが、そのなかでもラトルズは別格の誘発性を秘めているように思う。パロディがオリジナルを凌ぐ、というと言いすぎだが、オリジナルの下部にあるはずのパロディが、オリジナルと並んでしまうような魅力、というか。

 ラトルズの中心メンバーであったニール・イネス(ex. ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド)はインタビューでラトルズのアルバム製作過程について尋ねられ、こんなことを言っている*1



一番注意した点は、作曲している時にはビートルズのレコードを聴かないようにすることだった。ビートルズを聴いてしまうと、あまりのすごさに驚愕してしまって、自分の曲が書けなくなってしまうからね。言うなれば、ビートルズの音楽の記憶をたどるような形で作曲していた。



 ラトルズのオリジナルに隷属しないパロディとしての不思議な魅力とは、こういうところに秘密があったのかもしれないな、と思う。ニール・イネスが曲作りを行うときにたどる「ビートルズの音楽の記憶」とは、ビートルズについては「漠然としたイメージ」と言い換えられるだろう。そのイメージは、正確なものではないかもしれない。その曖昧な、記憶の隙間から、ニール・イネスという人の癖が染み出してくることが、ラトルズの魅力を形作っているのではないだろうか(逆に、正確なパロディを試みていたのは奥田民生やジェフ・リンだっただろう)。



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 ラトルズには2枚の「オリジナル・アルバム」がある。ちょっと前だとすごく手に入りにくかったんだけれど(特に1枚目の『4人もアイドル』はすごいプレミアがついていた)、今は普通に買える様になっている。2枚目の『アーキオロジー』は、再発時にボートラが追加されていて「持っている人も欲しくなる」仕様。



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*1:『ストレンジ・デイズ』2000年5月号に掲載





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