石井淳蔵 他 『ゼミナール マーケティング入門』

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ゼミナール マーケティング入門
石井 淳蔵 嶋口 充輝 余田 拓郎 栗木 契
日本経済新聞社
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4月からこれまでとはまったく違った営業関連の仕事をすることになったので、MBAをもっている友人に「なんか勉強になる本ない?」と訊ねてみた。友人いわく「マーケティングを本で学ぶ効果」とは
  • 長い経験で得られる知見を短期間で得られる
  • 新規事業でも何を売って価値を生むのか論理的に考えて成功率をあげられる
  • 1対無数の取引でもさまざまなニーズに適合させられる
……などらしい。

現時点でゼロからのスタートであるため、とくにひとつめの効果はありがたそうである。俄然やる気がでてきた私がはじめに読んだのが本書『ゼミナール マーケティング入門』であった。適当に選んだ本だったがこれはなかなか良いテキストだと思う。文章も平易だし、企業が過去に成功した例・失敗した例(成功例のほうが多く紹介されている)の分析を多数引きながら理論の説明がなされていく。変なたとえ話などはゼロ。なにをどのようにだれに売るのかのさまざまなアプローチがサクッと頭にはいり、結構分厚い本だがスルリと読めてしまう。雑談のネタになりそうな話もいろいろあり楽しく読んでしまった。

もちろん、多くの入門書がそうであるように、本書も「これ一冊で明日から使える!」というものではないだろう(というか、まだ新しい仕事がはじまっていないので、使えるか使えないかは評価不能である)。ただ、多くのケース・スタディを知って現場に向かえるのは少し不安が軽減されるようにも思う。ゼロからまったく新しいアプローチを生みだすのは大変だし、まったく新しいものであっても過去の知見の積み重ねから多くは生みだされるものだろう。なんか役には立つのではないか、いや、役に立つと良いな……。

マーケティングは、学生時代に講義を受けていたこともあり、いろいろ思い出すものもあったが、本書は学問としてのマーケティングの面白さを充分に伝えてくれる。購買意思決定プロセスの説明などは、初期のルーマンを想起させ、なんかいきなり哲学みたいになって面白い。自分で過去の事例の分析などやってみようとしたら大変だろうけれど、こうして研究者の方々が代わりにやってくれて、そこから得られるものを本にして、大学の外の人が参照できるようになっている、ってありがたいことだな、と改めて思ったりもする。

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