ジョン・フォード / 三人の名付親

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ひさしぶりに映画を観て少し泣く。名画だ……。

銀行強盗の男3人組が過酷な砂漠を逃亡するなか赤ん坊を拾い、家庭劇的なコメディが入り交じるちょっと複雑な内容の西部劇。冒頭、追われる男たちの馬と、保安官たちが乗る馬車が荒野を疾走するシーンは、強く印象に残るスペクタクルで、低い位置から煽るようにして撮られた2群の運動物と、その荒涼として広がった背景が素晴らしくキマっていた。ジョン・フォードの作品のなかでは一番好きかもしれない。

伏線の張り方と回収の大小も小気味良い。また、聖書にある東方の三賢者の役割が、主人公たちに重ねられ、その宗教的なモチーフは、賛美歌がいくども劇中で奏されることからも明らかである(劇中で用いられている賛美歌第687番は、アメリカの作曲家、チャールズ・アイヴズがヴァイオリン・ソナタ第4番で引用している。同じくアメリカの作曲家、アーロン・コープランドも編曲をおこなった。このことからこの楽曲がアメリカにおいて非常にポピュラーな宗教歌であることが察せられる)。また、詩編137の前半部分のテキストで暗示的に示される敬虔な郷愁も心を打つ。

しかしながら、この宗教的モチーフこそが、やや心に引っかかる点でもあるのだった。主人公の悪党3人組のうち、2人(若者とメキシコ人)は信心深い人物として描かれている(後者の場合、迷信深い、というのが正確かもしれない)。しかし、この悪行をおこなうことを知りながら、信仰をもっている、という、言うなれば、しょっぱいものを食べながら、甘いものを食べるような相反する振る舞いが、どうにも理解できないのだった。

赤ん坊との出会いによって信仰心が盛り上がってしまった、とか、死ぬ間際だから神様にすがりたくなった、とかであれば多少は理解できる。けれども、そんな都合良く救われるのであれば、逆に神様のありがたみがなくなるのではないか……。告解によっていろんな部分がノープロブレムになるのかもしれないが、それにしても、その契約関係いろいろ人間側に都合が良すぎて、かえって免罪符とか買って許してもらったほうが全うな気さえしてくる。

というわけで、映画自体は超面白かったです〜、という反面、キリスト教についてもっと理解を深めたいですね、と思う映画であった。

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