キリンジの10枚目のアルバムを聴く。前作の時点で、本作が堀込泰行が在籍する最後のアルバムだと予告されていたが、だからと言って有終の美を飾ろうとするような大作にはなっていない。インタビュー記事によれば、制作期間のみじかさや制作意図が「コンパクト」であることなどさまざまな事情があったようだ。この肩すかし感がキリンジらしいところなのかもしれないが、いや、コンパクトであるからこそ骨太なアルバムに仕上がっているあたりさすがの仕事ぶりである。急展開するコード・ワークも控えめであるし、前作のように見通しが良さやスケールの大きさを感じる楽曲はない。それが内省的な印象をあたえずにいるのは、これまでと違った手ざわりかもしれない。とはいえ、本作で聴かれるティン・ホイッスルの音色やトラッド風のアレンジは、前作の延長でもあり、まったく違った断絶的なアルバムではないのだろう。いま、堀込高樹はこういう音が好きなのだな、という確認ができるし、堀込泰行の黄金ポップスな曲作りはたまらないな、とも思う。いやしかし、ダークなフォークロア風の物語歌から「お風呂最高!」な歌へとつなぐ構成のスゴさには、大笑い。
キリンジの10枚目のアルバムを聴く。前作の時点で、本作が堀込泰行が在籍する最後のアルバムだと予告されていたが、だからと言って有終の美を飾ろうとするような大作にはなっていない。インタビュー記事によれば、制作期間のみじかさや制作意図が「コンパクト」であることなどさまざまな事情があったようだ。この肩すかし感がキリンジらしいところなのかもしれないが、いや、コンパクトであるからこそ骨太なアルバムに仕上がっているあたりさすがの仕事ぶりである。急展開するコード・ワークも控えめであるし、前作のように見通しが良さやスケールの大きさを感じる楽曲はない。それが内省的な印象をあたえずにいるのは、これまでと違った手ざわりかもしれない。とはいえ、本作で聴かれるティン・ホイッスルの音色やトラッド風のアレンジは、前作の延長でもあり、まったく違った断絶的なアルバムではないのだろう。いま、堀込高樹はこういう音が好きなのだな、という確認ができるし、堀込泰行の黄金ポップスな曲作りはたまらないな、とも思う。いやしかし、ダークなフォークロア風の物語歌から「お風呂最高!」な歌へとつなぐ構成のスゴさには、大笑い。
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