ショスタコーヴィチ:ピアノ五重posted with amazlet at 08.10.18リヒテル(スビャトスラフ)
ビクターエンタテインメント (1997-05-21)
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朝から室内楽が聴きたくなって、ひさしぶりにドミトリ・ショスタコーヴィチのピアノ五重奏を聴いた。スヴャトスラフ・リヒテル&ボロディン弦楽四重奏団の演奏を。
そういえばこの作曲家の作品を聴くのも随分久しぶりで、大学の1年生から2年生の間にずっとハマりきっていて、その間にCDを本当に数え切れないぐらい購入したけれど(アルトゥーロ・トスカニーニによる交響曲第7番の“西側初演”のほとんど記録としての価値ぐらいしか録音なんかも持っていた)、会社に入ってからというものほとんど聴くことがなくなってしまった。これは別に忙しくなったからショスタコーヴィチの「重い作品」を「聴けなくなった」わけではなく(何故なら、マーラーを以前よりもよく聴くようになったし、現代音楽はずっと聴いている)、ちょっと趣味が変った程度のものだと思う。
リヒテルの雄弁なピアノと、叙情感溢れるボロディン弦楽四重奏団の演奏の絡み合いは素晴らしく、音楽のダイナミクス・レンジの広さが圧倒的だ。室内楽というジャンルは、管弦楽のように広い音量の幅を持たないけれども、そういう現実的な制限を超越して響いてくるようである。とくに第5楽章に入ってから、突如ピアノが明朗な主題を弾き始める瞬間の開放感といったらない。
Youtubeで検索をかけたらブルーノ・カニーノ&アマティ弦楽四重奏団による演奏がアップされていた。こちらはリヒテル&ボロディン弦楽四重奏団によるものと比べれば、数倍上品に整えられた演奏だがなかなか聴かせてくれる。
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