はじめてのGTD ストレスフリーの整理術 posted with amazlet at 13.01.25 デビッド・アレン 二見書房 売り上げランキング: 1,194 Amazon.co.jp で詳細を見る 会社員として働きはじめてもう7年目に入ろうとしているところであり、そこそこ自分の仕事のスタイルだとか日々やらなくちゃいけない作業の管理などは自然と身についてしまっている。いまのやりかたに特別なストレスや問題を感じているわけではないのだが、ある日「Getting Thing Done(GTD)」というメソッドの存在を知る。それで、もしかしたら今のやり方よりも優れた方法があるのかも? と自分のスタイルを見直すために本書を手に取った。ちなみに著者のデビッド・アレンはGongの人とは別人である。 これはいわゆるライフハック本のひとつだ。普段そうしたジャンルの本を読んだりしないから、他の本と比べてどうかはわからない。でも、読んで思ったのは、これは大変な名著なのでは、ということ。ライフハック本というジャンルを超えて、読み物としても面白く読んだ。単純に優れたメソッドを紹介するだけではなく、人間の行動・意思決定プロセスをシステマティックに説明しているところが特に興味深かった。ちょうど並行して、二クラス・ルーマンの初期の著作『目的概念とシステム合理性』を読んでいたんだけれど、意思決定プロセスの説明におけるルーマンとアレンに重なる点をいくつか認められると思った。 なぜ、仕事がうまく進まないのか。あるいはどのように意思決定は「おこなわれない」のか。この理由を、両者はともに情報が複雑化しすぎているのだ、とする。やりたいこと、やるべきこと、やれること。職場においてもプライベートにおいても、行動の選択肢は無限のように存在する。やれることのなかには、やらなくてよいことも含まれるだろう。また、どのことから手をつけるのが正解なのか判断するのも悩ましい。時間がたつと、そのものの重要度が変化していったりするわけで、その都度、合理的に判断をおこなおうとしたら大変なストレスになるだろう。仮に仕事AとBとCがあったとして、それらを処理する順番によっても、その後の重要度が変わってくるかもしれない。それでは、いったい、いま、わたしはなにをやればよいのか。 こんなことを言い出すと意思決定な...