相変わらず本業のほうで多忙な日々が続いており、なかなか新譜をチェックする時間もとれないのだが、最近は営業で外回り中、渋谷等でお昼ご飯を食べたついでに中古レコード店にはいり、高速でモノを見ながら、めぼしいものを回収する……というゲリラか空き巣のような時間がとれるときがある。以下は、その猟盤の記録。
ちょっと前にtdさんのブログで言及されていて気になっていたもの。エイドリアン・オレンジはポートランド出身のSSWだそう。これはなんだか異形の音楽である。UKのNirvanaとかも思い出させるサイケデリアに、ダブ、あとフェラ・クティとかフィリップ・コーランなどを彷彿とさせるアフロなビートが自然に融合してしまっている……。あまりの独自な音楽っぷりに、これはアレか、アウトサイダー的なちょっと世界が違っちゃっているオッサンが発掘されたのか、と思ってしまったのだが、エイドリアン・オレンジさんはわたしと同世代の青年だったので一層驚愕してしまった。アメリカはやはり音楽的な魔境だ。
実は持っていなかったThe Pop Groupの『Y』(このバンドは人に借りた編集盤で聴いていた)。正直「この手のポストパンクの名盤らしきものをいまさら買わんでも……」とも思わなくもないが、聴けば必ずブチあがってしまうのだから、なにか心に刻まれてしまっているのだなあ。
PILは『The Flowers of Romance』しか聴いていなかった。これも「正直この手のいまさら……」という感じであるが(以下略)。
Pixiesはホントにこれまで聴いたことがなかった(かつて紙ジャケで彼らのアルバムが再発される際に、縁あってオリジナル盤に触れる機会があった)。なんだかアニソン的なカッコ良さがあるバンドであるなあ、というのが第一印象で、ジャッキジャキの音に燃えないはずがない。これ、サーフ・ミュージックっぽいと思うんだけども(とくに一曲目。そしてサーフ・ミュージックといってもジャック・ジョンソンとかドノヴァン・フランケンレイターとかがのほうではない)。
ゆらゆら帝国も最近になって聴き始めたのだった。世代的にはリアルタイムで聴けていたはずだったが、こういうものの素晴らしさに気づけるようになったのはごく最近のことかもしれない。毎日聴きまくっている。
ブラジル音楽を聴いている、というとジョアン・ジルベルトの『三月の水』のような大名盤も当然通過しているハズ……なのだろうけれど、わたしの場合、ボサノヴァの前にカエターノ・ヴェローゾに出会っているので、ジョアン・ジルベルトもあんまり持っていないのだった(これで3枚目か)。このアルバムで聴けるジョアン・ジルベルトのギターをきっかけに、サンバのリズムについて改めて理解してみたくなる。これまで「ジョアン・ジルベルトはギター一本でサンバのリズムを刻む」という言葉の意味がよくわかっていなかったのだ。
アメリカン・クラーヴェから発表されたピアソラの3部作のうち、2枚目にあたるアルバム。ほかのアルバムは持っていたのだが、これが一番「ピアソラっぽくないアルバム」かもしれない。クラリネットやサックスが使われている曲が入っているからだと思うが、管楽器が入っただけでずいぶんドライな印象が薄れて聴こえるし、それがアルバム全体の印象にも影響を与えている気がする。
エグベルト・ジスモンチはずっと聴きたいな、と思っていたアーティストで(でも新品で買う気にはならず、中古盤をあまり見かけない&見かけても高い)1100円で見つけたときにはテンションがあがってしまった。ここ数年賑やかなミナスの若手ミュージシャンにはジスモンチと比較されている人がいて、というか、演奏能力が高くて凝った曲を作るブラジル人ミュージシャンってみんなジスモンチかパスコアールと比較されてる気がするのだが、今回初めてジスモンチを聴いてちょっと納得。
ジャズ・ギターを掘り下げたい気持ちであったのだが、パット・メセニーと渡辺香津美とフュージョン系ばっかり買ってしまった日もある。渡辺香津美 New Electric Trioはベースがリチャード・ボナ、ドラムがオラシオ・エルナンデスというメンツで、豪華には違いないがあんまり人が思いつかないような組み合わせが面白すぎて思わず手が出た。内容は想像通りの超絶的なバカテクフュージョンだが、全部人力のSquarepusherみたいである。
坂本龍一の音楽を積極的に評価するタイプではないのだが、坂本龍一のピアノは否定できないなあ、と思った一枚。指が回るとかめちゃくちゃ音がでかいとか超絶技巧的なものではないのだけれど、ピアノを使っての音の作り方に素晴らしいものがあるな、と。これたしかクリスチャン・フェネスとデータのやりとりだけで制作したアルバムだったっけ。電子音に対してピアノが呼応して音楽が作られる、という感じでもなく、なんかそれぞれの音がたまたま一緒に鳴っていて、たまたま良い音楽として聴こえる、みたいな不思議な聴こえ方をする。アウタープレイ(そんな言葉はないけれども)的というか。教授の仕事のなかではGeisha Girlsと同じぐらい好きである。
エイドリアン・オレンジ&ハー・バンド
7e.p. (2007-09-07)
売り上げランキング: 228,271
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The Pop Group
WEA/Rhino (2007-04-17)
売り上げランキング: 65,882
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Public Image Ltd.
EMI Import (2011-06-27)
売り上げランキング: 72,431
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Pixies
4AD/Elektra (2003-05-20)
売り上げランキング: 64,827
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ジョアン・ジルベルト ミウシャ
ユニバーサル ミュージック クラシック (2011-07-20)
売り上げランキング: 210,276
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ASTOR PIAZZOLLA
american Clave (2009-12-24)
売り上げランキング: 46,190
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エグベルト・ジスモンチ
Bomba Records (2004-07-18)
売り上げランキング: 20,307
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Pat Metheny
Ecm Records (1999-11-16)
売り上げランキング: 13,339
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Kazumi Watanabe New Electric Trio 渡辺香津美 Richard Bona Horacio El Negro Hernandez
イーストワークスエンタテインメント (2003-08-10)
売り上げランキング: 198,871
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fennesz + sakamoto
commmons (2007-03-28)
売り上げランキング: 66,940
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