- 作者: G.W.F.ヘーゲル,Georg Wilhelm Friedrich Hegel,樫山欽四郎
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1997/07
- メディア: 文庫
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下巻の巻末には解説がついていたので、そこから読み始めたんだけれども、それすらよくわからず……でも、そんなのカンケーねぇ!という意気込みだけで読み終えました。第一によくわかったのは「ヘーゲルは難しい!」ってことだよ。と、バカな感想しか書けないのであるが、バカなりに少し「これはもしかしたらこういうことなんじゃなかろーか」という箇所もあった。
人間、ひとりで生きてたりするとなんかぼんやりして存在してるっつー意識がぼやけてしまうから、他者なり戦争なり「自己を否定する存在」が必要なのであって、そういう否定的なものとの緊張関係のなかで上手いことやったら良いんじゃないの?乗り越えたり、乗り越えられたりしつつさー。
みたいなこと書いてある(と思う)。否定的なものを絶滅させたら、ダメなのである。転がる石に苔むさず、ライク・ア・ローリング・ストーン。帰る家がないっていうのはどんな気分だい?つまり、ヘーゲルはディランなのであり、また「創造性を保ちたければ、若いヤツとつるめ」とのたもうたマイルス・デイヴィスなのである。
――こんな妄言を吐くことしかできないぐらいに『精神現象学』は難しく、「僕、これからどうしたら良いだろう?」とつぶやきたくなるような本でありました。ただ、アドルノはこんなことを言っている。
われわれはヘーゲルを逆さに読まねばならない。つまり、どんなに形式的に述べられていようと、全ての論理的操作を、その核となっている経験に還元するという風にも読まなければならない*1。
ヘーゲルを読む行為はヘーゲルとの格闘である(しかも相手は掴もうとしても打撃を加えようとしても、するりするりと逃げてしまう)。なかなかここまで手ごわい相手もいないので、もうしばらくしがみついてみようと思う、妄言を吐きつつ。
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